パナソニックは2月14日、マイクロフォーサーズマウント対応のミラーレス一眼「LUMIX DC-GX7MK3」(以下、「GX7 Mark III」)を発表した。シリーズの特徴であるスリムボディーを継承しつつ、初代LUMIX GX7で話題を呼んだチルト式の可動式EVF(電子ビューファインダー)を復活させたのが特徴。画素数も有効2030万画素に高めた。

価格はオープンで、予想実売価格はボディー単体モデルが税別100,000円前後、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6」が付属する標準ズームキットが税別111,000円前後、単焦点レンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7」が付属する単焦点ライカDGレンズキットが税別140,000円前後の見込み。発売は3月15日で、カラーバリエーションはシルバーとブラックの2色を用意。

  • パナソニックが発表した高性能ミラーレス一眼「LUMIX GX7 Mark III」。可動式の電子ビューファインダーが復活したのが大きなポイントといえる

  • クラシックカメラのような印象の漂うシルバーモデル

  • ブラックモデルは付属レンズもブラックとなる

  • 背面液晶は3.0型/124万ドットのタッチパネル式となる。チルト機構も搭載する

GX7 Mark IIIの主な特徴は「高画質」と「直感的な操作性」、「進化した4Kフォト」にある。

【特徴1】画素数を20Mに向上、新たなモノクロモードも

1月に登場した上位モデル「LUMIX G9 PRO」の発表時に発信したLUMIXの絵作り思想「生命力・生命美」を継承。新開発の2030万画素ローパスフィルターレスLive MOSセンサーと、最新のヴィーナスエンジンとのコンビネーションにより、精細感のある描写を可能にした。高画素化を図りつつ、連写速度は8コマ/秒から9コマ/秒(AFS時)にアップした。

これまでのGX7シリーズで定評のあるモノクロ表現を進化させたのも特徴だ。ハイライトとシャドウを強調しつつ、絶妙にディテールを残した「L.モノクロームD」が新たに加わった。フィルムライクな質感を実現した新パラメーター「粒状」と合わせ、モノクロ表現の幅を拡大している。

手ぶれ補正は、ボディー内手ぶれ補正機構(5軸)とレンズ内手ぶれ補正機構(2軸)をシンクロさせて補正効果を高める「Dual I.S.」を継承。広角~望遠の全領域でぶれの少ない安定したフレーミングや撮影ができる。

【特徴2】EVFはチルト機構が復活、露出補正ダイヤルも追加

本体デザインは、歴代のGX7シリーズで定評のある高品位の小型デザインを進化させた。本体の高さを抑えつつ、軍艦部を薄型化してスリムさを強調。また、背面ボタンを大型化して操作性を高めつつ、電源スイッチやフロントダイヤルの大型化で操作性を向上させた。

背面の電子ビューファインダー(EVF)は、初代LUMIX GX7で話題を呼んだチルト機構を復活させた。ローアングル撮影やウエストレベルの撮影でも、ファインダーをのぞくことで撮影に没入できる。新たに、右手の露出モードダイヤルの外周部に露出補正ダイヤルを追加し、ダイレクトに明るさを調整できるようにした。

  • 操作ダイヤルは高品位な仕上げが特徴。露出モードダイヤルの周囲には、新たに露出補正ダイヤルを搭載した

  • 電子ビューファインダーは、初代モデルで好評だったチルト機構が復活。ローアングルやウエストレベルでの撮影に便利だ

  • ファインダーと液晶モニターをチルトした状態

  • 背面液晶のすぐ上には、AFモードが素早く変更できるフォーカスレバーを追加した

  • グリップは握りやすい形状となる。グリップをさらに大型化するハンドグリップもオプションで用意する

【特徴3】4Kフォトは実用性と表現力が進化

LUMIXシリーズの特徴となっている4Kフォトも強化した。撮影時、被写体の「動き」や「人物の顔」を検出した部分に自動でマーカーを付与し、選択時に最大10個まで自動で表示する「4Kフォト オートマーキング」に対応。欲しい瞬間に一気にアクセスでき、写真選択の手間を大きく軽減できる。被写体の特徴に合わせ、検出基準を「動き優先/顔優先/おまかせ」から選択できるのも便利だ。

4Kフォトで撮影した一連の動きから、選択した部分を軌跡として1枚に合成する新機能「4Kフォト 軌跡合成」も新たに搭載した。カメラ内で合成処理ができるので、スマホに転送すればすぐにSNSなどで利用できる。

スマートフォンとの連携機能も進化した。Bluetooth Low Energyによる常時接続に対応し、画像転送やジオタグの付加がよりスムーズになった。スマートフォンからのリモート操作では、電源やダイヤルなどボタンやダイヤルを用いて設定する項目がすべて変更できるだけでなく、バルブ撮影も可能。一度ペアリング設定を済ませれば、次回からカメラ側の操作は不要。撮影すると自動でWi-Fi接続に切り替わり、写真データをスマートフォンに転送できる。

新たな専用アクセサリーとして、大型レンズ装着時などのホールディングを高めるハンドグリップ(本体と同じ革張り仕様)や、遮光性とフィット感を高めた大型のアイカップなどを用意する。

主な仕様は以下の通り。

  • 撮像素子:4/3型Live MOSセンサー(有効2030万画素、ローパスフィルターレス)
  • 感度:ISO200~25600(拡張時はISO100~25600)
  • ボディー内手ぶれ補正:あり(5軸、4段分相当、Dual IS対応)
  • シャッター速度:60~1/4000秒(メカシャッター)、1~1/16000秒(電子シャッター)
  • 連写:9コマ/秒(AFS)、6コマ/秒(AFC)
  • オートフォーカス:コントラストAF(49点)
  • 背面液晶:3.0型(124万ドット、タッチパネル、チルト式)
  • 電子ビューファインダー:276万ドット、倍率0.7倍
  • 内蔵フラッシュ:あり(ガイドナンバー6.0相当)
  • 動画:3840×2160ドット(30p/24p、MP4形式)
  • 4Kフォト:対応(オートマーキング、軌跡合成、一括保存対応)
  • Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n
  • Bluetooth:Bluetooth v4.2 (Bluetooth Low Energy)
  • バッテリー撮影枚数:約260枚(背面液晶撮影時)、約250枚(EVF撮影時)
  • サイズ:W124×H72.1×D46.8mm
  • 重さ:約450g(メモリーカード、バッテリー含む)