アシュタミューゼは7月18日、2016年の「エレクトロニクス」領域における希少人材について、転職状況を発表した。同調査では、同社が独自に定義した『未来を創る2025年の成長領域』のうちのひとつ「エレクトロニクス」領域について、希少人材採用支援サイト『転職ナビ』の人材データおよび研究テーマ/特許データを横断的に分析した。

2016年の求人倍率は12.79倍

「エレクトロニクス」領域における2016年(1月1日~12月31日)の『転職ナビ』求人倍率は年平均12.79倍。8月に「研究職」の登録者が増加し7.81倍まで落ち込んだものの、その後は上昇を続け、12月には18.72倍を記録した。

「エレクトロニクス」領域における『転職ナビ』求人倍率の推移(2016年)

サイト別に求人倍率年平均をみた場合、「電子材料」(187.42倍)、「高周波デバイス」(90.13倍)、「MEMS」(89.99倍)などが大幅に伸長。同社は「スマートフォン・IoT関連で追い風の吹く半導体業界の人材需要を反映した」と分析している。

次に、大学・研究機関の研究者や特許技術を持つ企業在籍者など、転職市場における流動性が低い「転職潜在層」に着目し、「転職顕在層」と比較。「エレクトロニクス」領域における転職ナビ登録者数(2016年)を100として指数化した。

「エレクトロニクス」領域における転職潜在層/顕在層の比較

その結果、転職希望者の顕在化が最も著しいのは「次世代ディスプレイ」を中心とする「光デバイス」関連市場(51.46)で、次いでAI関連技術や組み込みソフトウェアエンジニアなど幅広い職種に活躍の可能性がある「ICTインテリジェント家電」市場(23.30)となった。

また特許発明者に厚い層を持つ「パワー半導体」市場でも、転職希望者の顕在化がみられ、同社は「今後『電子材料』関連市場での希少人材の流動性の高まりが期待される」と分析している。