本田技研工業(ホンダ)は29日、コンパクトカー「フィット(FIT)」に先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を採用するとともに、デザインや装備、乗り心地、静粛性、燃費性能などの商品性を向上させ、30日に発売すると発表した。

ホンダ「フィット RS・Honda SENSING」(サンセットオレンジ II)

「Honda SENSING」はミリ波レーダーと単眼カメラによる車両前方の状況認識と、ブレーキ・ステアリングの制御技術が協調し、安心・快適な運転や事故回避を支援する安全運転支援システム。自動ブレーキや誤発進抑制機能などの衝突回避支援機能に加え、車線の中央に沿った走行をアシストするステアリング制御「LKAS(車線維持支援システム)」、アクセルペダルから足を離しても前走車との車間距離を適切に保つ「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」など、ドライバーの負担を軽減して快適な運転をサポートする機能も充実している。マイナーチェンジした「フィット」では、その全8機能をガソリンモデルとハイブリッドモデルに採用(タイプ別設定)している。

エクステリアデザインは、前後バンパーのデザインを変更して低重心でワイドな外観に仕上げたほか、インラインタイプのLEDヘッドライトなどにより、スポーティーさや先進性を表現している。一部のタイプには張り出し感のある専用のバンパー、大型テールゲートスポイラー、サイドシルガーニッシュを採用し、スポーティーな印象をさらに強調している。ボディーカラーに「ルージュアメジスト・メタリック」をはじめとする新開発の3色を追加し、全12色の多彩なラインアップを設定した。

インテリアは上質感にこだわった「HYBRID・L Honda SENSING」に、本革のような風合いや肌触りの素材を使用した「プレミアムブラウン・インテリア」を設定するなど、各タイプのキャラクターを際立たせるインテリアカラーを用意した。スマートフォン(iPhone・Androidなど)をUSBで接続し、音楽再生や通話、マップアプリケーションの操作をナビ画面や音声で行える「Apple CarPlay」「Android Auto」にも対応した。

その他、遮音機能付きフロントウインドウガラスの採用で静粛性を高め、ボディー剛性の強化やサスペンションダンパーの減衰特性の最適化などによって上質な乗り心地を実現。パワートレインはガソリンモデルに採用した「1.3LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジン」と「1.5L直噴 DOHC i-VTECエンジン」、ハイブリッドモデルに採用した「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド)i-DCD」ともに、それぞれの特性を生かしてきめ細かなチューニングが実施された。ハイブリッドモデルはJC08モードで37.2km/リットルの低燃費を実現しつつ、スムーズな加速フィールなど運転する楽しさも進化させた。

「フィット」の価格は、ハイブリッド車が169万9,920~236万7,360円、1.3Lのガソリン車が142万8,840~198万5,040円、1.5Lのガソリン車が185万3,280~205万920円となっている(価格はすべて税込)。

マイナーチェンジしたホンダ「フィット」の車内・外観イメージ