脳科学者の茂木健一郎氏が、11日深夜に生放送されたインターネットテレビ局・AbemaTVの番組『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』(毎週土曜25:00~27:00)に出演し、日本のお笑いを批判したことに関して「反省している」と話した。

脳科学者の茂木健一郎氏

茂木氏はツイッターで日本のお笑い芸人を「終わっている」などと批判し、爆笑問題の太田光がそれに反論するなど話題となっているが、番組冒頭で茂木氏は「日本のお笑いは空気を読み過ぎなんじゃないか。大御所が面白いと言うか面白くないと言うかで価値が決まる。それが基準になってしまっているのでは?」と問題提起。トレンディエンジェルの斎藤司のネタ「斎藤さんだぞ」を例に挙げて「それだけでは(笑いとして成立し)ないでしょ?」と苦言を呈し、村本が「今の一言で、茂木さんがお笑いを細かく見てないというのがわかりました。"斎藤さんだぞ"で笑ってないんですよ。"お決まりのアレ見れた!"っていう喜びなんです」と説明するも、「確認の笑いなの?」と納得いかない表情を見せた。

そして茂木氏は、日本の地上波テレビについて「オワコン」(終わったコンテンツ)とあらためて厳しい意見を述べ、「最近の高校生としゃべってるとテレビ観てないもん。かつては民放のゴールデンで何かやってたらステータスだったけど、みんなにウケる当たり障りのないことを追及していった結果、相手にされないメディアになってしまったという感じがある」と指摘。村本が「テレビはスポンサーのもの。さまざまな規制がある中で、お笑い芸人は手を変え品を変えやっていると思う。お笑い芸人がオワコンじゃない」と反論すると、茂木氏もそれには同意を示した上で「地上波テレビの中での芸人の振る舞いがオワコンだと思う」と話した。

また、お笑いの賞レースについても話が及び、茂木氏が「お笑いの賞レースで優勝する芸は昔から変わってない。アメリカとかイギリスのコメディは使うネタやアプローチなど変化しているんだけど、日本は本質的に進化が無いって感じがする」と指摘すると、村本は「茂木さんやっぱり素人。不毛というか、その辺の居酒屋のおじさんと話している感覚」とバッサリ。「賞レースの予選などは、お笑いのめちゃめちゃコアな人たちが見に来てる。すごいシビアだから、あるファミコンソフトで優勝したとして、次にソフトを変えるだけじゃ笑ってもらえない。ハードを変えていかないと、みんな笑わない。みんな新しいものが見たいんですよ」とお笑いの複雑さを語った。

さらに、今回の議論の発端になった発言について、茂木氏自身が「俺も怖かったよ。お笑いで大御所の方々を間接的に批判するってことだから」と胸の内を告白。村本が「"芸人でもないのに"とか思考停止した人ばっかりだったから、そう思うなら茂木さんを呼び出して聞けばいいじゃないですか」と周囲の反応を交えて今回の対談に至った経緯を話すと、茂木氏は「俺も反省してるもん、素人のくせにこんな口出すんじゃなかったなって」と打ち明けた。すると村本は「いやいや、こういう笑いについての議論ができることがいいんですよ」と返し、最後は2人とも笑顔で番組を締めくくった。

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