最後に、エプソン販売 代表取締役社長の佐伯直幸氏が販売戦略について説明した。佐伯氏によれば、オフィスプリンティング市場は「ビジネスインクジェットプリンター」で約700億円、「レーザープリンター」で約2,100億円、「複写機/複合機」で約9,000億円、「インクジェット軽印刷」で約200億円規模だという。

エプソン販売ではインクジェット軽印刷の領域を"成長領域"と捉えている。「スピード優先だったこの市場に、高速・高画質なLX-10000F、LX-7000F、PX-M7070FXを投入することで、私たちも本格的に参入する」と宣言した。また、引き続き複写機、複合機の領域にも積極的に製品を展開していく。

エプソン販売 代表取締役社長の佐伯直幸氏(左)。エプソン販売ではインクジェット軽印刷の領域を"成長領域"と捉えている(右)

インクジェット軽印刷市場には「高画質」を、複合機・プリンター市場には「スピード2倍」「コスト1/2」を差別化要素として訴求していく

エプソン販売では、オフィスに導入する複合機を定額で利用できる「エプソンのスマートチャージ」を提供しているが、その内容を拡充。本体購入不要で月払いの「オール・イン・ワン プラン」、本体購入+印刷枚数に応じた「カウンター・チャージ プラン」、本体購入+インク購入+保守契約の「インク・スタンダード プラン」の3プラン構成。例えば、LX-10000Fをオール・イン・ワン プランで契約した場合、FAXありのプランで月額72,000円、FAXなしのプランで月額70,000円となる。

定額の販売プラン「エプソンのスマートチャージ」を用意。例えばLX-10000Fをオール・イン・ワン プランで契約した場合、FAXありのプランで月額72,000円となる

インクジェット軽印刷市場では、小売業・流通業、学校、印刷業務、官公庁・自治体、病院、印刷業といった業種を対象にしていく。また複合機・プリンター市場では、一般OA用途、官公庁・自治体、病院といった業種を対象にしていく。中期目標として、インクジェット軽印刷市場で40%のシェア獲得を目指していくという。

インクジェット軽印刷市場の小売業・流通業、学校、印刷業務、官公庁・自治体、病院、印刷業といった業種を対象に展開。中期目標として同市場で40%のシェアを目指す

オフィス市場は激戦区だが...

質疑応答では、製品を販売する市場について、碓井氏は「まずは日本市場で展開し、順次グローバルにも広げていく。ヨーロッパで行われるショーでも披露していきたい」と回答した。出荷台数の目標は非公開。インクジェット軽印刷市場について、競合他社との差別化要素を聞かれると、佐伯氏は「高速・高画質で展開する。競合他社製品と市場の棲み分けは可能で、市場を拡大できると考えている」と説明した。

オンデマンドデジタル印刷への参入について聞かれると、久保田氏は「将来の可能性のある分野」と回答。参入を匂わせつつも、そのタイミングについては明言を避けた。

様々なメーカーが展開しているオフィス市場にどうやって割り込んでいくのか、という質問に佐伯氏は「7、8社が長年しのぎを削られている市場。ただ、膠着状態に陥っている印象もある。発表した新製品は、レーザープリンターを超えるスピードで印刷できる、価値をアドオンできる製品。販売店さんに幅広く扱ってもらえるのではないか」との見方を示した。