説明会の冒頭、セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏が登壇してスピーチ。マイクロピエゾなどのオリジナル技術を磨き上げ、全てのオフィスの印刷をインクジェットに置き換えることを目指す「長期ビジョン Epson25 - インクジェットイノベーション」を掲げる。碓井氏は「新製品は、オフィスにおけるイノベーションのひとつの具体的な取り組みを示すもの。新しいオフィスを作り上げていく」と力を込めた。

セイコーエプソン 代表取締役社長の碓井稔氏(左)。セイコーエプソンでは「長期ビジョン Epson25 - インクジェットイノベーション」を掲げている(右)

従来のインクジェット製品とLX-10000F/ LX-7000Fシリーズの違いを、碓井氏は「圧倒的なスピードの違いにある」と説明した

続いて、セイコーエプソン 取締役常務執行役員 プリンター事業部長の久保田孝一氏が製品に採用されている技術を解説した。新製品のキモとなるPrecisionCoreラインヘッドでは、43mm幅に約33,500ものノズルを斜めに配置。用紙の搬送には静電吸着ベルトを採用し、また速乾性を向上した顔料インクを全色で採用することで印刷速度の向上を実現した。片面印刷と遜色ないスピードで両面印刷も行えるという。

セイコーエプソン 取締役常務執行役員 プリンター事業部長の久保田孝一氏(左)。熱を使わないインクジェット技術が電子写真方式に対する強みとなっている(右)

新製品のキモとなるPrecisionCoreラインヘッド。43mm幅に約33,500ものノズルを斜めに配置した

消費電力の低さも特徴のひとつ。久保田氏は「電子写真方式のプリンターでは印刷速度が増すと消費電力も増すが、本製品では桁違いの低消費電力で使用できる。例えば75枚/分で印刷する場合、電子写真方式では必要な電力が1500Wを超えるが、本製品なら300W程度。これはパソコン2台分ほどの電力。特別な電源工事は必要なく、一般的な家庭用電源でもお使い頂ける」とアピールした。

電子写真方式のプリンターと比較して、桁違いの低消費電力で使用できる。消費電力が低いのでプリンターも発熱せず、安心安全に使用できるという

なおエプソンは同日、A3複合機「PX-M7070FX」、A3プリンター「PX-M7070X」の新製品2モデルも発表。従来製品と比べて操作性が高まり、スキャン速度も向上、さらに画質アップも図られている。両製品とも、3月上旬に販売が開始される。

A3複合機「PX-M7070FX」、A3プリンター「PX-M7070X」の新製品2モデルも発表。両製品とも3月上旬に販売が開始される