パナソニックが本気で"コーヒー"に挑む - スマホを使って手軽に焙煎する「The Roast」

高級感のあるIoT焙煎機

The Roastの焙煎機「AE-NR01」は、パナソニックとイギリスのベンチャー企業IKAWA社の技術提携により開発された。IKAWA社の焙煎機は、もともとプロの焙煎士が大きな焙煎機を使用する前に少量だけテスト焙煎するための「サンプルロースター」と呼ばれる製品ジャンルだ。そうした背景もあり、精度が高いのが魅力。安い焙煎機には、直火で加熱する製品もあるが、AE-NR01は熱風式を採用している。このため、少量の豆を焙煎しても加熱ムラが少ないのが特徴だ。

もうひとつAE-NR01の魅力は、なんといっても本体のコンパクトさと高級感のあるデザイン。AE-NR01はIKAWA社のプロ用製品をベースにしているものの、内部はメンテナンスのしやすさを考えたパナソニックの独自仕様。本体表面は高級感のあるメタリック素材を採用している。従来の焙煎機はプロユースのものが多いため、あまりデザインにこだわりのある製品がなかった。しかしAE-NR01は、オープンキッチンに置いても違和感のないシンプルで美しいデザインに仕上がっている。

世界一の焙煎士によるプロファイル

焙煎機があっても、生豆の入手が困難という人も多いだろう。The Roastは、生豆の宅配サービスもセットになっている。これは「高品質な豆を提供する」という理由のほか、豆の特性に合わせて加熱温度を管理する「プロファイル(焙煎方法)」を可能にするためだ。同じ品種の豆でも農園が違えば焙煎に必要な加熱方法は変わるので、宅配される豆に合わせて焙煎士が厳密にプロファイルを作成したという。

ちなみに、専用プロファイルを作成する焙煎士に選ばれたのは、日本人として唯一「The World Coffee Roasting Championship」に優勝した経験をもつ後藤直紀氏。後藤氏は「焙煎とはコーヒー豆の味を『デザイン』する作業」というが、The Roastがあれば世界一の焙煎士がデザインしたコーヒーを毎日飲める。