JR四国は土讃線で2017年4月1日から運行開始する予定の新たな観光列車「四国まんなか千年ものがたり」の内装デザインと運転時刻を発表した。

「四国まんなか千年ものがたり」1号車と2号車の内装イメージ

「四国まんなか千年ものがたり」は、「日本のたたずまい」をコンセプトに特急形気動車キハ185系を改造した3両編成の観光列車。外装については車両ごと・左右の側面ごとに色合いを変え、編成全体で四季の移ろいを表現することがすでに発表されている。

内装もこのコンセプトに沿って民家のしつらえをイメージし、徳島県産の杉など木材に包まれた凜とした室内空間とする。鏡と格子を用いた天井デザインは囲炉裏の上部に吊られる火棚をモチーフとした。1号車「春萌(はるあかり)の章」と3号車「秋彩(あきみのり)の章」は、それぞれ春色・秋色に彩られたソファが褐色の室内から鮮やかに浮かび上がるデザイン。座席は左右両方向の車窓が楽しめる配列とする。

「夏清(なつすがし)の章」「冬清(ふゆすがし)の章」と名づけられた2号車には、囲炉裏を囲む団らんの風景をイメージした長さ7mのベンチソファーを設置。曲線を描いたダイニングカウンターやテーブル配置、室内を彩るホワイトとブルーのカラーリングで川や風の流れを表現した。床は徳島県の伝統工芸品である藍染めをカラーモチーフとしたフローリングを採用。ダイニングカウンターは、車内で提供する食事や飲み物の準備を行うために使用する。

座席数は3両編成で計57席。内訳は1号車が1名用シート6席、2名用シート4席、4名用ボックスシート12席の計22席、2号車はロングソファーシートのみ11席、3号車は1名用シートと2名用シート各6席、4名用シート12席の計24席。

大歩危行の「四国まんなか千年ものがたり そらの郷紀行」と多度津行の「四国まんなか千年ものがたり しあわせの郷紀行」の1往復が設定され、「そらの郷紀行」は多度津駅10時21分発・大歩危駅12時48分着、「しあわせの郷紀行」は大歩危駅14時20分発・多度津駅17時16分着となる。「そらの郷紀行」は多度津駅・善通寺駅・琴平駅で乗車し、大歩危駅で下車可能。「しあわせの郷紀行」は大歩危駅でのみ乗車でき、琴平駅・善通寺駅・多度津駅は下車のみとなる。

「そらの郷紀行」「しあわせの郷紀行」ともに秘境駅の坪尻駅で停車し、ホームに下りることも可能。大歩危・小歩危峡など絶景ポイントでは速度を落として運転するとのこと。