JR西日本は26日、おおさか東線北区間(新大阪~放出間11.1km)新駅の概要を発表した。おおさか東線は2008年3月に南区間(放出~久宝寺間)が開業。北区間は2019年春開業予定で、学研都市線(片町線)と接続する既設の鴫野駅に加え、新駅4駅が設置される。

西吹田(仮称)駅のイメージパースと工事中の様子(画像はすべてJR西日本提供)

北区間に設置される新駅は「西吹田(仮称)」「淡路(仮称)」「都島(仮称)」「野江(仮称)」の4駅。各駅とも8両編成対応の相対式ホーム2面、エレベーター2基(各ホーム1基ずつ)・エスカレーター4基(各ホーム上り・下り1基ずつ)を備えた高架駅となる。北区間の駅舎のデザインコンセプトは「地域が刻んできた歴史と、暮らす人々のつながりを感じる駅」で、淀川や神崎川を渡る区間でもあることから「水都・水運の歴史」「水辺の自然の豊かさ」「人のつながり」もキーワードに挙げられた。

西吹田(仮称)駅は「神崎川の水資源を生かした水田、くわいの栽培地であった地域の歴史・風土のあるまち」であることから「神崎川と水路の風景」がデザインコンセプトに。阪急京都線・千里線と接続する淡路(仮称)駅のデザインコンセプトは「菅原道真と淡路」で、平安時代に菅原道真が中州であったこの地を淡路島と間違え、上陸したことに由来する地名と伝えられることから、当時の川の流れを地形などを表現した駅になるという。

淡路(仮称)駅のイメージパースと工事中の様子

都島(仮称)駅のイメージパースと工事中の様子

野江(仮称)駅のイメージパースと工事中の様子

都島(仮称)駅は城北地域に設置される(大阪市営地下鉄谷町線の都島駅とは位置が異なる)。この地域を含む旧淀川には多くの渡し場があり、水運とともに歩んできたことから、都島(仮称)駅は「淀川の渡し舟」をデザインコンセプトに、渡し舟が水面に浮いている様を表現した駅となる。京阪本線と接続する野江(仮称)駅のデザインコンセプトは「榎並猿楽」。能のルーツのひとつといわれる榎並猿楽が鎌倉時代にこの地で発祥したことにちなみ、猿楽の衣装と能の舞台を引用し表現するという。

おおさか東線は大阪外環状鉄道が事業主体となり、新大阪~淡路(仮称)間は新線建設区間、残る区間は城東貨物線の施設・用地を活用した複線化区間として整備が進められている。北区間の各駅の駅間距離は新大阪~西吹田(仮称)間約2.0km、西吹田(仮称)~淡路(仮称)間約1.3km、淡路(仮称)~都島(仮称)間約2.1km、都島(仮称)~野江(仮称)間約2.2km、野江(仮称)~鴫野間約1.8kmとされている。

北区間が開業し、大阪東部地域の各駅から新大阪駅へ直結することで、東海道・山陽新幹線への乗継ぎが便利に。大阪都心部から放射線状に広がる路線との接続も図られるなど、広域鉄道ネットワーク形成への貢献が期待されている。