西武鉄道は台風9号の影響で不通となっていた多摩湖線萩山~西武遊園地間について、9月6日初列車から運転を再開すると発表した。

多摩湖線での復旧作業の様子(西武鉄道提供)。のり面側にH鋼を打ち込み、土留めを新設する

同社の発表によれば、多摩湖線武蔵大和~西武遊園地間で8月22日、降り続いた雨の影響でのり面(線路脇の斜面)が崩れ、土砂が線路に流入する被害が発生。このため、萩山~西武遊園地間を運転見合わせとし、土砂を撤去するとともに、再度の土砂崩れを防止する「土留め」を作る作業を進めてきた。

土留めはのり面側に杭(H鋼)を打ち込み、土のうを積み上げて土砂を食い止める方式。加えて、のり面全体にシートをかぶせ、土砂に染み込む雨水の量を減らすことで土砂崩れのリスクを低減させることとした。さらに、雨量計と崩壊センサーを現地に設置し、監視体制の強化を図る。

当初は復旧まで1カ月程度を要すると発表されたが、時間の経過によって地盤が安定し、荒天も少なかったことから作業が順調に進み、運転再開時期を大幅に前倒しできたという。