今回設立されたIT連と同じような位置付けの団体としては、三木谷浩史氏(楽天 代表取締役会長兼社長)が代表理事を務める新経済連盟(新経連)が存在する。これについて、宮坂氏は「ITでこの国を良くしていこうという部分はまったく同じ」としながら、IT連は新経連より「やや狭い領域、IT関連にフォーカスを絞って活動していく点が異なる」と説明した。

また、「IT連は個別企業が加盟する団体ではなく、あくまでも団体が加盟する団体である」と組織としての成り立ちの違いについても触れ、「方向性は同じで決して対抗するものではないので、協力できるところは協力していきたい」と述べた。専務理事を務める別所直哉氏(一般社団法人 セーファーインターネット協会 会長)も、「将来的には(新経連ほか未加盟の団体にも)幅広く加盟を呼びかけていきたい」とコメントした。

理事兼幹事長を務める荻原紀男氏(一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 会長)は、「2年前に私がコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)会長に就任した時、100以上の団体があるがひとつひとつの力は弱いことを痛感した。この国の産業の基礎としてITを根付かせるためには、やはり(それらの団体が)まとまらなければならない。そこで、満遍なくお声がけさせていただき、2年半かけてここまでやってきた」と補足。

代表理事兼筆頭副会長の長谷川亘(一般社団法人 全国地域情報産業団体連合会 会長)も、「ほかの業界団体は、お互い団体同士でつながり、規制や法律について情報交換しなければやってこれなかった。それに対して、ITはまったく異分野とつながらなくてもやってこれたが、それによる損失は多々あった。スタンドアローンのコンピュータがネットワーク化することで大きな価値を生み出すように、我々業界団体もネットワーク化し情報交換を密にして、そこから生まれるものを考えていきたい」と、IT連が果たす役割に期待を寄せた。

代表理事兼会長の宮坂学氏

専務理事の別所直哉氏

理事兼幹事長の荻原紀男氏

代表理事兼筆頭副会長の長谷川亘氏