スカイマークは7月14日、スカイアテンダント(客室乗務員および地上旅客スタッフ)の制服を11月初旬より一新することを発表。14日に開催された新制服発表会には佐山展生会長と市江正彦社長がそろって登壇し、製作過程からデザインに至るまで、"新生スカイマークを象徴する制服"であることをアピールした。

現在のオレンジのポロシャツと打って変わり、シックなデザインに

全社員からデザインを公募

スカイマークは民事再生手続が終結した2016年3月28日、「新生スカイマークの方針」および「2016~2018年度中期経営計画」を発表。その方針には「お客さまへの約束」として、安全の確保を最優先とし、お客さまの時間を大切に、シンプルで温かく誠実なサービスと快適な空間を身近な価格で提供することを掲げている。そうした方針を目に見えるカタチにするという意味でも、乗客との接点の最前線に立つ客室乗務員および地上旅客スタッフの制服リニューアルを検討した。

現在着用しているポロシャツは、コストを削減し乗客に還元という目的で、2009年4月に掲げられた「制服廃止」から始まったもの。当時は、パイロットには黒のポロシャツとジャンパー、帽子を、スカイアテンダントには紺のポロシャツとジャンパーを支給。スカイアテンダントは現在、オレンジのポロシャツを着用している。

変わるスカイマークを乗客との接点の最前線に立つスタッフがカタチにする

新制服に関しては、社員自身が制服のあり方を考えることにより、会社に誇りと愛着を持つと同時に、社員一丸となって新生スカイマークとして歩み出したいという思いから、デザイン案を社員から募った。全社員からデザイン案を公募し、制服そのものにおいても特に条件は設定していなかったという。公募は2015年12月頃に実施し、さまざまな部署から70~80件のデザイン案が集まった。

デザイン案を決定するにあたり、まずは10案に絞った上で、神戸のファッション専門学校に依頼してデザイン画を作成。その10案で社内投票をした後、選ばれた5案の制服を実際に作成した。最終的に1案を選ぶために、5案の制服をまとったマネキンをスカイマークが就航している全空港に配置させ、現場で働く社員が自分たちの制服選定に自主的に関われることを重視した。

デザイン監修・制作はユナイテッドアローズ

最終的に選ばれたデザイン案は、神戸空港支店ランプ管理課の山中哲馬氏が考案したもの。山中氏は、「新生スカイマークに何か貢献できれば」という想いから公募にエントリーし、スカイマークのコーポレートカラーである黄と紺の配色にこだわったという。

山中哲馬氏(写真左)のデザイン案。コーポレートカラーである紺と黄にこだわった

「それぞれの色がもつイメージを調べてみると、黄には個性と元気、紺には信頼と誠実というイメージがあることが分かりました。そうなると、黄と紺は相反するイメージになるのですが、黄の使用を5%程度に留めつつ、"元気で誠実なスカイマーク"という印象をお客さまに伝えられればと思い、デザインしました。新しい制服を子供たちが見て、『カッコいい、憧れの存在、スカイアテンダントになってみたい』と思ってもらえたらと願っています」(山中氏)。

山中氏がデザインした制服は当初、女性の制服はワンピースのみだったが、社内からはベスト×スカートやパンツを希望する声が多いことが分かったという。そのため、一人ひとりが自由に選べるよう、ジャケットとスカーフ(2種類)を共通アイテムとし、ワンピースに加えてシャツ(2種類)×ベスト×スカートまたはパンツのデザインを用意した。男性の制服は、ジャケット×シャツ×ネクタイ(2種類)×ベスト×パンツとなっている。

特に女性の制服はワンピースの他、スカートやパンツから自由に選べる

社員からあがってきたデザイン案に対して、日々の業務で使用するに適した素材や機能性、そして、スタイリッシュさの観点から、ユナイテッドアローズのユニフォームレーベル「uniform UNITED ARROWS LTD.」がデザイン監修・制作を担当。同レーベルはこの6月に立ち上がったばかりであり、航空会社の制服制作に携わるのは初めてのケースとなる。

「新生スカイマークを外から見て分かるもの」

今回の制服制作に関し、佐山会長や市江社長は現場の社員たちから要望を聞くことから深く入っていったという。「民事再生の最中にあった1年余り前から考えると感無量」と話す佐山会長は、社員が制服作成に関わることが一丸となって新生スカイマークを進めていく意味で重要であったことに触れた。

左から、市江正彦社長と佐山展生会長。現場スタッフへのヒアリングから今回の制服作成に入っていったという

また市江社長は、「新生スカイマークは、お客さまへの約束としてお客さまの時間を大切にするために定時性日本一を目指すこと、また、荷物の手伝いをしなくていいとしていた時代とは変わり、シンプルで温かいサービスを実施していくこと、そうした新生スカイマークを外から見て分かるものを作りたいと常々考えておりました。今回の制服はスカイマークが変わる象徴となるでしょう」とコメントした。

(中央の左から)ユナイテッドアローズの森田卓司課長、スカイマークの市江正彦社長、山中哲馬氏、佐山展生会長、仙北谷茂執行役員

実際に新制服を身にまとったスカイアテンダントからは、「現在のオレンジポロシャツとはまた違って、身が引き締まる想い。着心地も良く、一日でも早く着用して乗務がしたい」「思っていたよりも軽くて動きやすい。シンプルなデザインもお客さまに新生スカイマークを受け入れてもらえそう」等という声が挙がっていた。

新制服の導入は11月初旬を予定している

スカイマークというと、2014年6月に全席プレミアムのA330-300就航とともに話題をさらった、期間限定の超ミニスカ制服の印象が強いかもしれないが、今回の新制服は安全安心・乗客の時間を大切にする定時性という、航空会社の基本を忠実に行っていく心構えをも表現しているという。第一四半期は搭乗率80%以上・定時性93%等と利益を引き出した新生スカイマーク。再建から3年間で足場を固め、海外も含めた路線拡大を経て、5年以内に上場を目指す新しい道筋に期待したい。

2014年6月より、期間限定で導入されたスカイマークの制服