ゼンハイザージャパンは、製品の展示・試聴イベント「SENNHEISER SHOWCASE 2016」を全国7都市で開催中。本稿では、開催初日である6月3日・東京会場の様子をレポートする。

HE-1。試聴機は大人気だった

コンシューマー向け製品の目玉として入り口付近に置かれていたのは、真空管を8本搭載した超弩級ヘッドホンシステム「HE-1」。実機をぐるりと囲むファンが代わるがわる試聴していく姿が印象的だった。このほか、ヘッドホンは「HD800S」「HD700」「HD650」「HD598」「HD25」「MOMENTUMシリーズ」などを、イヤホンは「MOMENTUM In-Ear」「IE60」などを用意。それぞれ試聴が可能となっている。

HD800S

HD700

HD650

HD598

HD25

MOMENTUMシリーズ第2世代

MOMENTUM In-Ear

IE60

ゲーミングヘッドセットの姿も

コンシューマー向け製品のほか、ビジネス向け製品も試聴可能。会議用マイクシステムやプロ向けのマイクなどを展示していた。6月3日はだいたい4:6の割合でビジネス向け製品を多く展開していたが、6月4日は一般来場者の増加を見越して、コンシューマー向け製品の試聴機を増やすかも、とのことだ。

プロ用マイクのほか、会議用のマイクシステムなどビジネス向け製品がずらり

なぜ今回のファンイベントにビジネス向け製品を多数展開しているのか。ゼンハイザージャパン広報の新井氏は「ゼンハイザーはプロ向けのマイクから始まったブランド。ビジネス向けの製品で培った技術が今のコンシューマー向け製品に生きていることを伝えたい」と話す。

ゼンハイザーは2015年から「Shape the Future of Audio」というテーマを掲げており、HE-1というある意味チャレンジングな製品を開発したのも、ユーザーに未来に向けての可能性を感じてもらうことことが目的であったという。HE-1に対する反響は大きく、本社に「値段が決まっていなくてもいいから買わせてほしい」といった熱いファンの声も届いた。8月にグローバルで発売を開始するが、すでに購入希望の申し入れが100件ほどあったという。

新井氏は「買うのは富裕層の人かと思っていたが、実は必ずしもそうじゃないらしい」と続ける。日本円で600万円オーバーという常識外の製品ながら、オーディオの超マニア、いわゆる「オーディオ・ファイル」が次々と申し込みを入れているそうだ。熱いファンの存在がゼンハイザー、ひいてはオーディオ業界全体を盛り上げているのだと感じた開催初日だった。