メドピアはこのほど、「遠隔医療は進むか」についてのアンケート結果を発表した。同調査は3月16日~22日、医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」会員医師4,041人を対象にインターネット上で実施したもの。

遠隔医療は進むと思いますか?

日本遠隔医療学会は、遠隔医療を「通信技術を活用した健康増進、医療、介護に資する行為」と定義している。

同調査では、まず遠隔医療は進むと思うか尋ねた。その結果、「進む(参画したいとは思わない)」が50.9%、「進む(参画したい)」が37.0%で、合わせて計87.9%が「遠隔医療は進む」と回答した。また、遠隔医療が「進む(参画したい)」と答えた割合は、開業医よりも勤務医の方が大きく、年代別では年代が若いほど大きいこともわかった。

勤務医・開業医別および年代別の結果

遠隔医療は「進む」と思うが、参画したいとは思わない人にその理由を聞くと、「直接触ったり聴いたりできない診療には抵抗がある」(50代、一般内科、勤務医)、「見落としのような過誤が発生した際の責任の所在など不明確な部分が多い」(30代、一般内科、勤務医)、「365日24時間待機状態になりかねない」(60代、放射線科、勤務医)などの声が寄せられた。

一方、参画したいと回答した医師からは「医師の地域偏在を改善する一助として遠隔医療は有効」(50代、リウマチ科、勤務医)、「高齢化や過疎化を考慮すると進めざるを得ないのでは」(30代、神経内科、勤務医)といった声が多かった。皮膚科や眼科、放射線科では既に遠隔診療が行われており、期待できるという声もあった。

「進まない」と回答した医師からは、画像診断や血液検査など一部では進むかもしれないが、治療も含む医療となると直接患者を診ないと難しいという回答が多かった。「患者のニーズの把握違い、経済的問題、医師のクオリティなど問題がありすぎ」(50代、循環器内科、開業医)と指摘する医師もいた。