俳優・遠藤憲一と菅田将暉がダブル主演した2015年のテレビ朝日系ドラマ『民王』が2週連続で復活することが9日、明らかになった。4月15日(23:15~24:15)にスペシャル版、翌週22日(同)にスピンオフ版が放送される。

『民王スペシャル~新たなる陰謀~』に出演する(左から)大倉孝二、遠藤憲一、菅田将暉、門脇麦

テレビ朝日初となる小説家・池井戸潤氏の作品の実写ドラマ化となった『民王』は、遠藤演じる総理大臣と菅田演じるおバカな息子が入れ替わってしまうというストーリーで、2人の演技や、高橋一生らの会話劇などで話題を呼んだ。

4月15日放送の『民王スペシャル~新たなる陰謀~』では、連続ドラマの後に再び起きた父と息子の入れ替わりを、同22日放送の『民王スピンオフ~恋する総裁選~』は、連ドラの前日譚となる秘書・貝原茂平(高橋)の過去を、それぞれオリジナル脚本で描く。遠藤演じる総理・武藤泰山、菅田演じる息子の翔をはじめとしたメインキャストはそのままに、新たなキャストとして大倉孝二、門脇麦、相武紗季らも登場。池井戸氏は「ホントにやるの?」と、驚きを隠せない様子ながら、快くOKを出したという。

遠藤は、連続ドラマ当時を「ある種"やりきった感"のようなものがあった」と振り返りつつ、今回の続編制作については「正直驚きました」と話す。また、翔役にも取り組んできた経験から自身の演技に変化があったそうで、「"ナイーブさ"みたいなものを要求されることが増えたような…」と役者として新たな側面が求められるようになってきたと告白。その上で、「『遠藤憲一には、こういう一面もあるんだな』という発見になったのかな。そういう部分でも意味深い作品」と感慨を口にする。

一方の菅田は、そんな遠藤とはやや感触が違っていたようで、「連ドラを撮っているときから、『いつでも続きをやりたい!』という気持ちでいました」と打ち明ける。しかし、世界観などの面で、それまで自身が挑戦したことのない作品であったことから、「自分の中でも大きな転機になった作品」だという部分は共通している。

また菅田は、続編で再び翔や泰山を演じるにあたって「気持ちの面ではスッと入ることができたんですが、身体のほうが…」と苦笑。それは「泰山の方なんですけど、びっくりするくらい表情筋を使う」からだそうで、「こんなにも筋肉を使って毎日演じていたんだなぁとあらためて思い出しました」と数カ月ぶりの"父親"役の演技を前にしみじみと語った。

スペシャル版では、武藤親子以外にも、国会議員が同時多発的に入れ替わりを起こすという展開もあり、テレビ朝日の飯田爽プロデューサーは「連続ドラマの時に、原作にもあったものの泣く泣くカットした要素」と明かす。スピンオフについては、「貝原の知られざる壮絶な過去に、みなさん驚き、きっと涙する」と自信たっぷり。「2週間限定の『民王』祭りは連ドラを見ていても見てなくても楽しめます!」と呼びかけた。

さらに、そんなスピンオフの放送を記念して、貝原を演じた高橋を大きく取り上げた本『民王 スピンオフBOOK【貝原編】』の発売も決定。高橋が貝原について語る1万字インタビュー、遠藤との対談、「日曜日の秘書」をテーマに撮り下ろしたグラビアなどのほか、今回の続編での活躍も収められている。価格は1,800円(税別)で、4月5日に発売。