JR北海道は北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業にともなう2016年3月26日のダイヤ改正で、札幌圏などの各線区でも運行体系の見直しを実施する。L特急「スーパーカムイ」と快速「エアポート」の直通運転を取りやめるほか、気動車で運転される普通列車79本の減便、極端に利用の少ない8駅の廃止も発表された。

札幌駅へ向かう789系の快速「エアポート」

789系・785系を使用し、札幌~旭川間で運転されるL特急「スーパーカムイ」23往復のうち、12往復が札幌駅から快速「エアポート」となり、新千歳空港駅へ直通運転を行う。しかし来春のダイヤ改正を機に、函館本線または千歳線での輸送障害などによる路線間相互の遅延の波及や運休の発生を減らし、「安定した新千歳空港アクセス輸送」を提供するため、直通運転を取りやめることが決まった。

これにより、L特急「スーパーカムイ」はすべて札幌~旭川間の運転に。旭川駅では8時30分以降、札幌行「スーパーカムイ」が毎時0・30分に発車する。札幌発の始発列車「スーパーカムイ1号」は、現行の札幌駅6時51分発・旭川駅8時16分着から札幌駅6時35分発・旭川駅8時0分着に時刻を繰上げ。旭川駅到着時刻が早まり、通勤・通学圏が広がるだけでなく、同駅を8時8分に発車する宗谷本線名寄行への乗換えも可能となる。

快速「エアポート」はダイヤ改正で片側3ドア・6両編成の電車に統一

札幌~新千歳空港間の快速「エアポート」はすべて片側3ドア・6両編成の電車で統一。同区間の混雑緩和が図られる。時刻も見直され、新千歳空港駅では9~18時台、札幌方面「エアポート」が毎時0・15・30・45分に発車。札幌駅でも8~19時台、新千歳空港行「エアポート」が毎時5・20・35・50分に発車する。

千歳線・室蘭本線では、L特急「すずらん」も1往復増発され、特急「スーパー北斗」「北斗」に合わせた運行体系に。「すずらん1号」は東室蘭駅5時41分発・札幌駅7時14分着となり、「白老・登別・室蘭地区から航空機の始発便への利用が可能」になるとのこと。「すずらん12号」は現行の急行「はまなす」を代替する列車となり、札幌駅を22時0分に発車し、東室蘭駅・室蘭駅まで運転される。

札幌圏ではその他、千歳線や学園都市線(札沼線)、函館本線などで普通列車の増発や編成両数・運転区間・時刻の見直しを行う。千歳線では夕方の千歳行・苫小牧行の設定を一部見直し、慢性的な遅延の緩和を図る。函館本線では21時台の札幌発手稲行「ホームライナー」が運転取りやめとなる。

小幌駅は1年間存続、地元との協議でその後の更新も検討

JR北海道は今年9月、車両・施設の老朽・劣化が進み、これらの更新・修繕に必要な資金が不足していることなどを理由に、極端に利用の少ない列車・駅の見直しを行うと発表していた。主力一般気動車キハ40系の老朽・劣化が著しいことから、今年11月には気動車で運転される普通列車79本の減便を検討していることも明らかにされた。

室蘭本線小幌駅。ダイヤ改正後も1年間は存続

今回の発表で、「使用可能な車両の範囲内でダイヤ設定を行うため、気動車で運転する普通列車79本の減便を行います」と同社。見直しを行う線区・見直し本数ともに11月の発表と一致しており、「車両の老朽・劣化が著しいこと、利用人数が減少していることなどを勘案し、やむをえない判断であることをご理解ください」としている。

あわせて極端に利用の少ない駅として、石勝線十三里駅・東追分駅、根室本線(花咲線)花咲駅、石北本線上白滝駅・旧白滝駅・下白滝駅・金華駅、函館本線鷲ノ巣駅の計8駅が廃止されることも発表された。室蘭本線小幌駅については、同駅のある豊浦町と協議を行い、駅存続のための費用や人的な提供を得たことから、駅管理に関する双方の役割を定め、1年間存続されることになった。今後は「状況を見ながら双方協議し、1年ずつ更新を検討してまいります」(JR北海道)とのこと。