「第4回鉄道技術展」が11日、幕張メッセにて開幕した。今回は過去最大規模となる450企業・団体が出展。実物の車両も展示されており、三菱重工業は埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)向け新型車両2020系を出展している。

「第4回鉄道技術展」の会場に展示されたニューシャトル新型車両2020系

「ニューシャトル」の愛称を持つ伊奈線は、大宮~内宿間12.7kmを結ぶ新交通システムの路線。新型車両2020系は既存車両の更新用として製造され、11月4日から第1編成の営業運転が開始された。三菱重工は2020系を18両(3編成)受注しており、2016年にかけて同車両を順次導入し、開業当初から使用される1000系を置き換えるとしている。

ニューシャトルは全線にわたって新幹線と並走することから、新型車両2020系も新幹線との調和性を考慮した未来的なデザインとなった。車体にアルミ合金を使用し、軽量化も図られている。三菱重工がこれまでに納入してきたゆりかもめ7300系、日暮里・舎人ライナー330形と同様、ニューシャトル2020系でも快適性を追求した次世代の車両用シート「G-Fit」を採用。従来車両より座席を増設するとともに、荷棚を設け、ドア開口部を拡大するなど、乗降性・利便性を高めた上質な車内空間とした。

ニューシャトル2020系に採用された「G-Fit」に座れるコーナーも

三菱重工の新交通システム「AGT」の国内向け・海外向け車両も紹介されている

三菱重工は前回のゆりかもめ7300系に続き、今回の鉄道技術展でも実物の車両を出展。ニューシャトル2020系の先頭車(2122号車)が会場に展示され、車内を見学することも可能で、来場者の注目を集めていた。同社はゆりかもめ7300系、日暮里・舎人ライナー330形、ニューシャトル2020系など、新交通システムの新世代の到来を予感させる新型車両を「AGT」("Automated Guideway Transit"、自動案内軌条式旅客輸送システム)と呼び、優れたデザインや経済性、環境性能を強くアピールしていくとのことだった。

「第4回鉄道技術展」は幕張メッセ4・5・6ホールにて、11月13日まで開催。同会場にて併設展「橋梁・トンネル技術展」も開催されている。一般入場も可能で、入場料は2,000円。招待券持参者およびウェブからの事前登録者は無料とされている。

ニューシャトル新型車両2020系(2122号車)の外観・車内