運河沿いの古い倉庫群の多くは現在、飲食店として再利用されている。そこで今回、埋め立てられたエリアに広がる倉庫群やその周辺から、特にオススメの小樽グルメを紹介しよう。

日本で唯一のブラウエンジニアがもてなす地ビール

まずは小樽ビール「小樽倉庫No.1」。醸造所の中にはビアパブを併設しており、ビールの醸造にはドイツの歴史あるブルワリーの5代目、かつ、日本で唯一のブラウエンジニア(醸造技術者)であるヨハネス・ブラウンさんが携わっている。

小樽ビール「小樽倉庫 No.1」の外観。夏は外でもビールが飲める

ビールはピルスナーやドンケル、ヴァイスに季節のビールなど。中でもヴァイスは口コミで人気となり、「ここでこのビールが飲めるとは! 」とドイツビールを知る人が驚くことも少なくないとか。ビールのおともには「モツァレラチーズとフランスパンのブリッジトースト」(税別690円)がオススメ。カリッとした歯ごたえとチーズの風味が何とも美味。醸造所見学は無料なのでぜひ立ち寄っていただきたい。

「ビールとは、人と人が楽しくつながるための道具」というブラウエンジニアのヨハネス・ブラウンさんの考えにより、テーブルも長くつなげられている

リピートしたくなる「モツァレラチーズとフランスパンのブリッジトースト」(税別690円)

北海道らしく豪快に! あぶった魚介も寿司もスゴい

旧渋沢倉庫を利用しているのは「北海あぶりやき 運河倉庫」。外観からは想像もつかない天井の高さ、奥行きの広さにまずは驚くだろう。こちらでは小樽や北海道で獲れた新鮮な魚介、こだわりの道産肉を炭火で豪快に焼いて食べることができる。

蔦の絡まり方が見事な「北海あぶりやき 運河倉庫」

大きなボタンエビ、天然の大粒ホタテは生で食べてみたくなるような活きの良さ。そして、実は寿司もすごいのだ。ヨーロッパのホテルで指導をするような職人が握る寿司をぜひここで食べていただきたい。

テーブルにセットされた炭火の上で自分で焼いて食べるのが北海道らしい。写真左と網の料理は「小樽運河盛り」(税込3,240円)、写真右は「十勝大平原盛り」(税込3,380円)

小樽運河を一望! 屋台ひしめく「小樽出抜小路」

小樽運河の南端には、火の見やぐらがそびえる屋台村「小樽出抜小路」がある。この火の見やぐらは誰でも無料で登ることができる。らせん階段を上り、火の見やぐらから見る運河の景色はなかなかいい。

火の見やぐらが目印のにぎやかな屋台村「小樽出抜小路」。その火の見やぐらから見ると、小樽運河がゆるやかな弧を描いているのが分かる

下に降りると、海鮮丼やジンギスカンなど北海道グルメがあれこれ楽しめる屋台が軒を連ねている。この日は半身揚げが人気の「小樽なると屋」で「カップザンギ」(税込320円)を注文。カリッとして塩味もいい感じだ。

「小樽なると屋」の「カップザンギ」(税込320円)