日本政策金融公庫(以下、日本公庫)は5月21日、2014年度の海外留学資金の融資実績を発表した。これによると、同年度の融資金額は過去13年間で最高の35億円となった。

2020年日本人留学生倍増の政府目標へ、留学資金支援を強化

日本公庫は、以前から「国の教育ローン」として、高校、大学、専修学校などの進学・在学や海外留学を目指す子供を持つ家庭の「経済的負担軽減」と「教育機会均等」の支援をしている。

日本公庫によると、2014年度の海外留学資金の融資実績は、1,526件(前年度比136.4%)、35億円(前年度比150.0%)で、件数・金額ともに大幅に増加した。また1件あたりの平均融資額は231万円となっている。

海外留学資金の融資実績の推移

政府は、「『日本再興戦略』改訂2014年」において、2020年までに日本人留学生を倍増させることを目指している。日本公庫は、一昨年5月及び昨年4月に海外留学者向けに制度を拡充し、支援を強化。例えば、海外留学資金を目指す場合の世帯年収(所得)の上限は、子供の人数が1人または2人の場合990万円(770万円)。また、海外留学資金として利用する場合の融資限度額は450万円へ拡充している。

海外留学を目指す人への制度拡充内容(平成25年5月より) 、融資限度額の拡充内容(平成26年4月より)

日本公庫では、今後も国の施策に基づく政策金融機関として、留学を目指す人をはじめ、教育資金を必要とする人を積極的に支援するとしている。