日本たばこ産業(以下、JT)は4日、JT飲料事業部およびジェイティ飲料で行っている飲料製品の製造・販売を2015年9月末をめどに終了し、飲料事業から撤退すると発表した。

JTは1988年、飲料事業に参入。以降、「ルーツ」や「桃の天然水」などの人気商品を発売し、2014年3月期の売上は約500億円を計上していた。しかし、飲料市場は事業規模が優劣を決する構造にあるほか、商品ライフサイクルが短期化する中で収益基盤を確保するためには、販促活動で規模を追求しつつ、新商品を短期間で開発し続けることが不可欠な厳しい事業環境にあるという。

このような状況を踏まえ、将来の成長戦略について検討を重ねた結果、JTグループの中長期的な成長に貢献していくことは困難であると判断し、経営資源の配分など全体最適の観点から、撤退を決定したとしている。

JT飲料事業部の社員については、配置転換を実施し、ジェイティ飲料の社員については、JTへの再雇用に向けて労働組合と協議する。なお、ジャパンビバレッジグループおよびジェイティエースターグループについては、これまで通り自販機オペレータ事業を継続する。

今後は、たばこ事業の競争力強化に資する投資を優先するとともに、医薬事業、加工食品事業の事業基盤強化に向けた投資を行い、中長期にわたる持続的利益成長を図っていくという。