マレーシアという国を聞くと、どのようなイメージを抱くだろうか。グルメや多国籍文化、スパなどを思い浮かべる人もいるかもしれないが、実はマレーシアは、知る人ぞ知る「買い物天国」なのだ。

特に首都・クアラルンプール(KL)は、アメリカの放送局「CNN」が2012年に発表した「世界の買い物都市ベスト10」で、ニューヨーク、東京、ロンドンに次ぐ4位にランクインしている。商業施設が集中しているため、買い物好きにはたまらない街だ。KLでショッピングを目的とした「ジャランジャラン」(街歩き)をするならば、絶対に押さえておきたい場所を紹介しよう。

クアラルンプールの観光名所のひとつ「ペトロナスツインタワー」は、ライトアップされるととても美しい

ツインタワーでも買い物が楽しめる!

まずはKLの中心地に位置し、観光名所にもなっている地上88階建ての「ペトロナスツインタワー」の地階から地上5階までにある「スリアKLCC」だ。「Emporio Armani」や「Dolce & Gabbana」などの高級ブランドや人気のローカルブランド「British India」など、300以上のショップが軒を連ねる。

豪華な雰囲気が漂う「スリアKLCC」

中には、日本でおなじみの伊勢丹や紀伊国屋書店もある。また、日本食が味わえるレストランもあるなど、フードコートも充実している。

伊勢丹はマレーシアにもある

紀伊国屋書店はちょっとシックな雰囲気

漢字が見られる日本食レストランも

マレーシアに浅草の街が登場!?

「スリアKLCC」を一通り散策したら、その足でそのまま空中遊歩道へ向かおう。遊歩道を10分ほど歩くと、次なる大型ショッピングモール「パビリオン」が見えてくる。「GUCCI」や「Prada」などの人気ブランド品はもちろん、海外の最新コスメやファッション、アクセサリーなどを取り扱うショップを数多くそろえている。

「パビリオン」はクリスマスのオーナメントできらびやかだった(2014年11月取材時)

地階には大型フードコートも備えており、レストランだけで約60店舗、カフェも20店舗以上ある。パビリオン全体では約500の店舗があり、まさに「KLの流行の発信地」と言える存在だ。

マレーシア版のダイソー

さまざまなテナントが並ぶ中、日本では100円ショップとして有名な「DAISO」も発見。商品は5RM(マレーシアリンギット)となっているが、日本円ではおよそ170円(12月上旬のレート)と、やや日本より高い? 値段設定となっている。

マレーシアのど真ん中に東京を発見!

また、パビリオンには日本人マネージャーがいろいろと指導して作り上げたという東京・浅草の街並みを模した「東京ストリート」がある。フロアの随所に日本語が見られ、日本を連想させるアイテムも多数販売されていた。「マレーシアの中の日本」を体験するのも、なかなか乙なものだ。

日本の浅草をイメージしたという「東京ストリート」

漫画「進撃の巨人」ならぬ「進撃の傘」も販売されていた

そして最後の大型ショッピング施設は、パビリオンから通りを1本挟んだ場所に位置する「ファーレンヘイト88」だ。パビリオンに比べるとポップでカラフルなつくりとなっており、若者向けのブランドを中心に、約150のテナントでにぎわう。

「ファーレンヘイト88」

中には「ユニクロ」や「サブウェイ」などもあり、先の2つに比べて比較的リーズナブルにショッピングを楽しめる。

見ていて楽しくなるような店のつくりとなっている「ファーレンヘイト88」

日本のアニメはマレーシアでも人気のようだ

日本でも見慣れた「サブウェイ」を見ると、ちょっとホッとする?

マレーシアに行くなら年末年始がチャンス!

もちろん、KLには今回紹介した3施設以外にも数々のショッピングスポットがある。そして年末は、1年に3回ある大型セールの時期にあたるため、その「買い物天国」を思う存分満喫するに絶好のタイミングなのだ。

グランプリ・セール: 3~4月

F1のマレーシア・グランプリの開催時期に合わせて行われるセール

マレーシア・メガ・セール・カーニバル: 6~8月

マレーシアの大型セールの中でも、最も規模の大きいもの。ショッピングモールの特設会場では、ファッションショーやダンスショーなどのイベントが行われ、お祭り気分も満喫できる。

イヤー・エンド・セール: 11月末~12月

クリスマスや新年のタイミング合わせた大型セール。国内の数百にも及ぶアウトレットショップでイベントが行われる。今年は2015年の1月4日までセールを開催している。

年末年始は、ちょうど「イヤー・エンド・セール」の時期にあたる。ただでさえ、マレーシアは「酒類」「チョコレート製品」などの一部品目を除き、外国製品に関税がかからないため、かなりお得に買い物ができる。そこからさらに値引きされるため、高級ブランドなどのアイテムを買いそろえたい人にとっては、絶好のチャンスと言えるだろう(※上記のセール開催日程は、年によって多少異なる)。

大型セール中は、各地でさまざまなイベントが行われている

もちろん、カジュアルブランドのアイテムもセールの対象になる。ローカルブランドのコスメや工芸品など、「マレーシアならではの品」を購入するにもピッタリだ。

2015年は楽しいイベントがめじろ押し

マレーシアは来年、「MALAYSIA Year of Festivals 2015」と銘打ち、国内で年間に50以上もの大きなイベントを開催し、広く世界中にマレーシアの魅力を発信する。

マレーシアは来年、「MALAYSIA Year of Festivals 2015」と銘打ち、数多くのイベントを開催する

例えば、2月3日には「タイプーサムフェスティバル」を開催。ヒンズー教信者が善行と感謝の気持ちを神へささげる日で、体に何本もの針を刺したり、山車を担いで祈りをささげたりする信者の姿を見ることができる。

グランプリ・セールが行われる3月には、「マレーシア・ペトロナスF1グランプリ」や気球の試乗体験などが楽しめる「国際バルーンフェスティバル」などが予定されている。4月には、「アファモサ・アウトレットビレッジ」と「三井アウトレットパークKLIA」の2大アウトレットモールがオープンすることになっているなど、より観光を楽しむためのイベントがめじろ押しとなっている。

朝の「ペトロナスツインタワー」は、夜とまた違う顔を見せる。「ジャランジャラン」で、いろいろなマレーシアの風景を見よう

年末の一大セールから2015年へと続く、マレーシア観光の絶好のタイミング。この機会にぜひ、現地へと足を運んでみて「ジャランジャラン」をしてみてほしい。