サーベイリサーチセンターはこのほど、職場内での上司-部下間のコミュニケーションに関し、「ほめることが従業員のモチベーション向上に効果を与えるか」についてのアンケート調査結果を発表した。

同調査は一般社団法人日本ほめる達人協会 西村貴好理事長および同協会顧問 同志社大学政策学部 太田肇教授(ワーク・モチベーション専門)の監修のもと、3月27日~4月3日にインターネット上で実施。20歳~59歳の一般社員・一般職員(管理職ではない)男女419名の回答をまとめたもの。

叱られるとやる気が出る人は少数派

部下のやる気、8割が「ほめられる」と高まる。「叱られる」と高まる人は2割

「上司の行動や言葉でやる気が高まった経験があるか」を聞いたところ、約6割が「やる気が高まったことがある」と答えた。次いで、「ほめられる、または叱られるとやる気が高まるか」を調べたところ、「ほめられるとやる気が高まる」人が約8割だったのに対し、「叱られるとやる気が高まる」人は約2割にとどまった。

20代と50代の「公務員」は、ほめられるとやる気が出る人が多い

年代別、職種別に見てみると、とくに20代の「公務員」は「ほめられるとやる気が高まる」人が多く、92.6%に達した。

ほめられている人は「挑戦意欲」「仕事への満足」「仕事への楽しみ」などが高い

ほめられている人は自分自身のことも好意的に見ている

「仕事に対する意識」について、設問を42項目提示し、それぞれを5段階(5:まったくそのとおり~1:まったくちがう)で自己評価してもらったところ、上位2段階を占める割合を比べると、すべての項目で「ほめられている人」のほうが数値が高かった。

なかでも「ほめられている人」の割合が20ポイント以上上回る項目としては、「少々困難な目標でも挑戦したいと思う」「仕事を効率的にこなせている」「会社(地域・住民)に役立っているという自信がある」「今の仕事に満足している」などとなった。

また、「ほめられている人」は自分自身に対しても肯定的で、「自分のことが好き」「生まれてきてよかった」「自分は社会の役に立つ人間である」「自分に満足している」のすべての項目で、「ほめられていない人」を20ポイント前後上回った。さらに、「ほめられている人」のほうが、職場のさまざまなストレスが少ない傾向があることもわかった。

「上司のほめ方に不満」は4割弱。最多の理由は「口先だけでほめる」

むやみにほめればいいというわけではないことがわかる

「上司のほめ方への満足度」を聞いたところ、約4割が「上司のほめ方に不満」を抱いていることもわかった。もっとも多かった理由は「口先だけでほめる」の40.9%。2位には「ほめない」が33.8%で付けたが、3位は「公平にほめない」の27.3%、4位は「気まぐれにほめる」の24.7%となり、ほめ方の良し悪しが部下の不満に影響を与えていることがうかがえた。