グエン・トゥン(Nguyen Tung)さん/ベトナム・ホーチミン市在住/37歳/デザイナー

毎朝会社に出勤、外回りでクライアント先をまわって、定時後に残業、週に数回は同僚とごはんでも…。日本の平均的なビジネスパーソンとして思い浮かぶのは、そんな働き方ですが、世界のビジネスパーソンはどのように働いているのでしょうか? ベトナムでデザイナーとして働くグエン・トゥンさん(37歳)に話を聞きました。

■これまでのキャリアの経緯は?

大学在学時にデザインを学び、卒業後、現地ベトナム広告代理店にデザイナーとして就職しました。その後、よりよい環境とスキルアップを目指して3回転職。今は外資系広告代理店で、広告を中心とした制作業務を行っています。

■現在のお給料は以前のお給料と比べてどうですか?

前職での給料は月650万ドン(約31,395円)ほど。今の会社は勤続5年になりますが、900万ドン(約43,470円)ほどをいただいています。年齢を重ねるにつれ、結婚したり、子供ができたりと、生活に必要な金額も変わってきますので、それに合わせた収入が得られる転職を行ってきました。

■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?

会社(外資系広告代理店)から支給されるお弁当)

何より、以前よりも職場の環境や内容が良くなっていることに満足しています。給料ももちろんですが、会社も必要にあわせ労働環境の改善に取り組んでくれますし、クライアントのジャンルが多岐にわたるため、自分自身のデザインのスキルアップに生かすことができます。デザインの仕事はどうしても時間が不規則になりがちですが、今の会社では就業時間を比較的守ってくれるので、家族との時間をとれるのもうれしいですね。

■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?

ベトナム企業に勤めていたときよりも、求められるスキルが数段アップしました。外資系企業の広告や、外国人向けの広告を作ることもあるため、対ベトナムとはまた違った感性が必要となり、悩むこともよくあります。ただ、それは自分のスキルアップにもつながるため、吸収できるものはどんどん吸収していきたいと思っています。あとは…ささいなことではありますが、今の座席の日当たりが良すぎるので、席替えをしてほしい、といったところでしょうか。

■将来の仕事や生活の展望は?

もっと高い収入を目指したい、というのは当然ですが、やはりデザイナーとしての仕事を続けていきたいと思っています。ただ、同じデザイン関連でも、アートディレクターなど、もうすこし高いポジションを目指していきたい。広告はクライアントが求めるデザインを、デザイナーがブラッシュアップすることでより良いものにすることが大事です。その課程の中でもっと自分からアイデアを出し、形にするような仕事ができればと思っています。

■日本人のイメージは? あるいは、理解し難いところなどありますか?

日本人は楽しくてユーモアのある人が多いように感じます。仕事には厳しいですが、遊ぶときはとことん遊ぶ。そんなオンとオフをきっちりと分ける人が多い気がします。そうして様々な体験をすることで、デザインに関しても柔軟で高レベルの発想が生まれるのでは、と思っています。

■ちなみに、今日のお昼ごはんは?

会社から支給されるお弁当です。ごはん、おかず、スープなどがセットになっているベトナムの一般的なもので、いくつかのメニューの中から好きなものを事前に注文することができます。昼休みが2時間ほどありますので、週の半分程度は近所の食堂やカフェなど、社外に食べに行くことも多いです。

ごはん、おかず、スープがセットに。おいしそう

■休みのとりかたは?

ひと月に日曜日4回と、土曜日2回、計6日の休日があります。締め切りなどの関係から休日出勤などもありますが、代休をとり、おおよそこの日数は確保できています。その他、有給休暇は年に12日、祝日は年に10日ほどですので、それほど多くありません。ベトナムに欧米のような長期休みはありませんが、旧正月は5日ほどの連休となりますので、そこに有給休暇などを合わせ、1週間程度の休みを取ることができます。