同社によるデジタル修復のイメージ

IMAGICAは、映画監督・小津安二郎氏の生誕110年および没後50年を記念して発売されるカラー4作品のデジタルリマスター版において、映像のデジタル修復作業を担当したと発表した。

今回のデジタルリマスターは、松竹および東京国立近代美術館フィルムセンターとの共同事業として実施されたもので、対象となったのは小津氏が監督を務めた『彼岸花』『秋刀魚の味』『秋日和』『お早よう』のカラー4作品。修復作業としては、原版フィルムに存在する物理的瑕疵の修復を行った上で、全てのフレームをデジタル化(スキャニング)するところからスタートしたといい、フィルムの安全走行を実現するDigital Film Technology社のソリューション「SCANITY」を用いて、オーバースキャンモードによる4K解像度(4,300x3,956)でのデジタル化を行ったとのこと。

また、デジタル修復の工程は2K解像度で行い、傷やゴミ、揺れ、フリッカーなどの除去、経年劣化による色ムラの除去を重点的に実施。色調調整は『彼岸花』のチーフ撮影助手であった川又昂撮影監督と近森眞史撮影監督が監修を行い、小津監督の製作意図に忠実に、アグファカラーの特徴的な発色をふまえた修復が行われたという。さらに、音声は同作の助監督を務めた田中康義監督の監修のもと、松竹映像センター大船サウンドスタジオにて修復。完成したデータは、富士フイルム製のデジタルセパレーション用黒白レコーディングフィルム「ETERNA-RDS」を用いた三色分解レコーディングが実施され、その後IMAGICAウェストにて、レコーディングされた3本の白黒ネガから直接35ミリプリントに焼付ける光学合成でプリント作成を実施したという。

なお、今回のニューデジタルリマスター版4作品は、3月8日にBlu-ray BOX「Color 4 OZU~永遠なる小津カラー」として松竹から発売される。価格は1万8,900円。4作品のディスクを収納する紙製ボックスのほか、特典としてオリジナルのポストカード(4枚)とブックレット「Color 4 OZU ~デジタル修復の歩み」(12ページ)が付属する。詳しくは「小津安二郎 生誕110周年記念」公式サイトまで。