スキルレベルに「大きな課題がある」が増加

eラーニングを主軸に企業の人材育成を支援するライトワークスはこのほど、「多店舗チェーンで働くスタッフのスキル・就業意識の実態調査」の結果を発表した。

店長や店舗スタッフのスキルレベル、人事責任者の74%以上が課題と認識

同調査は、マクロミル登録モニター、Yahoo!リサーチモニターの多店舗展開企業の人事責任者、店長、非正規雇用の店舗スタッフを対象として2013年12月24日~25日に実施。人事責任者206名、店長206名、非正規雇用の店舗スタッフ515名から回答を得た。調査は2011年度から実施しており、今回で3度目。

スキルのばらつきの原因は「社会人としての基礎力不足」

「店長や店舗スタッフのスキルレベル」については、人事責任者の74%以上が課題と認識しており、過去3年間で最も高い割合となった。また「スキルレベルが低下している」「スキルのばらつきが拡大している」とする人事責任者のそれぞれ過半以上が、その要因として「社会人としての基礎力不足」を指摘していることは、3年間を通じ同様だった。

不足スキルの認識は、人事担当者、店長、スタッフで大きなギャップ

「店長や店舗スタッフの不足スキル」については、それぞれ店長自身と人事責任者の間、店舗スタッフ自身と店長の間に大きな認識ギャップがあった。特に、前者は労務管理について、後者は接遇・マナーについて認識ギャップが大きく、これらの傾向は過去3年間同じだった。

体系的な店長教育を実施する企業は少数

半数の企業は、非正規社員への仕事内容指導がない

「トレーニングの実施」は、スキルレベル向上、さらには仕事の満足度向上と高い相関があると考えられているものの、「店長、店舗スタッフに対する体系的なトレーニングを実施している」とする人事責任者、「店長から指導を受ける機会が頻繁にある」とする店舗スタッフは少数に留まった。

店長と非正規社員では、フィードバックの有無の認識に大差

「店舗スタッフの評価」については、ほとんどの店長がなんらかの形で実施しているものの、「定期的なフィードバックをうけている」とする店舗スタッフは10%強に留まった。フィードバックの有無や頻度は仕事の満足度と相関がみられることから、両者の認識ギャップが店舗スタッフに大きな不満を与えている可能性が見て取れた。

「採用基準を上げてスキル確保」が0%に!

「店長、店舗スタッフのスキルのばらつき」については、「縮小した」とする人事責任者のうち、「採用基準を上げた」ことをその要因とする人事責任者が3年の間減少し続け、今年度は0%となった。

また、「この1年で採用が困難になってきた」とする人事責任者は約17%で、「容易になってきた」を大きく上回るとともに、約23%の人事責任者が時給を上げて採用数を確保していた。