俳優の中村蒼、女優の大塚千弘らが4日、都内で行われた映画『東京難民』の完成披露試写会に出席した。

左から、山本美月、青柳翔、中村蒼、大塚千弘

福澤徹三の同名小説を実写化した同作は、格差社会の中で生きるリアルな若者たちを描いた作品。気楽な大学生活を送る時枝修(中村)は、父親が借金を抱えて失踪したため、大学とアパートから追い出されてしまう。ネットカフェに泊まりながら日雇いのバイトで食いつなぐ修は、騙されて入ったホストクラブで働くことになるが、ある出来事をきっかけにホームレスに転落してしまう――というストーリーで、映画は22日から全国公開。

舞台あいさつには、中村、大塚のほか、キャストの青柳翔、山本美月、中尾明慶、井上順と佐々部清監督が出席。主演の中村は「修は全部無くなっても、正面からぶつかっていく精神力がすごい。100%の力で芝居をしたという自信はある」と自負し、「楽しいことや良いことは先にあると思うけど、身近なところに幸せはあるということが伝われば」と熱を持ってアピール。サプライズで主題歌「旅人」を担当した高橋優が同曲を披露すると、中村は「こんなにうれしいことがあったのは、今年初めて」と喜んでいた。

また、ホストクラブの常連客・瑠衣を演じた山本は、「セリフをかむと監督にイエローカードを出されていたので、いつレッドカードが出されるのかドキドキしてた」と明かすと、佐々部監督に「『なんて顔が小さくて、足が長いのか』とそればかり見てました」と言われて照れ笑い。撮影は昨年1月に行われたが、雪でロケ現場から帰宅出来なかったという中尾に、「今日も雪だし、監督は天候に恵まれないんですね」と言われた佐々部監督は、「10月に産まれたから、あの大変な撮影中に……、ふ~ん」とチクリ。妻で女優の仲里依紗との間に第1子が誕生したばかりの中尾は、「マスコミの方がいるから!」と慌てて釘を刺していた。