第8回ローマ国際映画祭の授賞式が現地時間16日(日本時間17日3:00)から行われ、前田敦子主演の黒沢清監督作『Seventh Code』(日本公開未定)が、監督賞と技術貢献賞を受賞した。日本作品による同映画祭の受賞は、今回が初となる。

前田敦子主演の黒沢清監督作『Seventh Code』

本作は、前田と黒沢監督が初めてタッグを組み、今年6月にロシア・ウラジオストクで撮影を行った作品。全18作品のインターナショナル・コンペティション部門で、監督賞(Best Director Award)と優れた技術に贈られる技術貢献賞(Award for Best Technical Contribution)の2冠を達成した。黒沢監督が出席した公式上映では、平日夜にも関わらず1,000席ほどの会場が観客で埋め尽くされ、エンドロールが流れている間から鳴り止まないスタンディングオベーションが続いた。

黒沢監督は、「ローマ国際映画祭に出品できただけでも十分満足しておりましたが、受賞の報を聞いて大変驚いています。他にも素晴らしい作品が数多くある中で、今回の作品に賞を与えてくれたことを、とても嬉しく思っています」と喜びのコメント。前田も「黒沢監督凄い! ビックリしすぎて意味がわかりません」と驚き、「私は監督の指示に従っただけですが、私もすごく嬉しいです! 監督賞、技術貢献賞、本当におめでとうございます!」と祝福の言葉を贈った。

前田が演じる高山秋子は、東京で知り合ったを松永(鈴木亮平)のことが忘れられずにロシア・ウラジオストクを訪れる。無事に再会を果たしたものの、松永は秋子のことを覚えていなかった。そして、松永は「外国では絶対に人を信じてはいけない」という言葉を残して、秋子の前から姿を消す。秋子は再び松永を探すが、マフィアに襲われてしまい、荷物や金を奪われて郊外の荒地に捨てられてしまう。その後、日本人の斉藤(山本浩司)が経営する食堂で働くことになり、ある日、松永の車が店の前を通り過ぎる。