雨の平日ながら、4K映像の上映には大勢の来場者が集まった

3月25日より、"『4K歌舞伎座』~ソニーの4Kで体験する歌舞伎の世界~"が東京・銀座のソニービルにて開催されている。同イベントは来る4月2日、銀座に誕生する新しい歌舞伎座『GINZA KABUKIZA』のグランドオープンを記念し、4月14日まで行われる(入場無料)。

最大の見所は「世界で初めて歌舞伎の伝統・斬新さを再現した4K映像」。実際の上演と紛うほどの、リアルな映像世界を実現している。

ハイビジョンの4倍以上の高画質

4Kとは従来のBlu-rayなどのフルHD映像の解像度(210万画素)と比較して、4倍以上の映像情報量を有している映像であり、新たな動画規格として注目されている。ソニーでは、自社で新開発した「8K CMOS イメージセンサー」(F65に搭載)により、業界最高画質を実現しているという。

8階コミュニケーションゾーン「OPUS(オーパス)」

8階コミュニケーションゾーン「OPUS(オーパス)」では、世界初となるソニーの4K技術で撮影した歌舞伎の舞台映像を公開中。松竹協力のもとで実現した。

会場では、歌舞伎の三大名作のひとつである「義経千本桜」の中から、川連法眼館の場(出演:市川猿之助)と渡海屋・大物浦(出演:中村勘九郎)を上映。合間に両氏のインタビューを交えた構成となる。

歌舞伎が明らかにした「4Kの驚異的な映像力」とは?

歌舞伎は4K映像の魅力を知る上で、格好の被写体になる。超高精細な4K映像なら、歌舞伎の魅力のひとつである色鮮やかな衣装や隈取の美しさが、より引き立つからだ。

演者の息遣いまで聞こえそうな臨場感あふれる映像

映像美に加えて、4K映像は高解像度ゆえの"圧倒的な臨場感"も味わえる。4K映像による自身の舞台を見た市川猿之助氏は、「びっくりするくらい驚きがなかった」と第一声。さらに、「だから本当にリアルなんだなと。映像に変換されている感覚がなかったですね。舞台の奥行きが見えて、"実際に観ている"ようでした」とコメントした。

同様に中村勘九郎氏は、「劇場で見ているのと同じ感覚になれる技術」と4K映像を評し、「臨場感がハンパないですね。感情までダイレクトに伝わってくるのが分かりました」と語った。

上映時間は約17分間。会場の200インチ大画面モニターと5.1chサラウンドの音響で4K撮影の映像を見てみると、あまりのリアルさに幾度も息をのむほど。演者から滴り落ちる汗の一滴まで見える"常識を超えた画質"や、舞台の奥行きを感じられる3次元的な映像に、生の歌舞伎の舞台の迫力・緊張を感じた。

この世界初となる4Kでの歌舞伎の上映は、11時の開場から閉館の19時まで、最終日の4月14日まで毎日実施される予定。ただし、4月5日の18時から19時、6日の17時から19時(いずれも予定)は、「4K歌舞伎セミナー」開催のため上映内容が異なる。また、4月7日は終日クローズのため上映はない。

ソニーだからできる「一足お先の4K体験」

今回のイベントは、ソニービル全館を挙げての大掛かりなものとなっている。メインとなる4K映像の上映以外にも、歌舞伎とソニーの技術を融合させた展示が用意されている。

1階の展示風景。8階で上映中の映像は手前の「F65」で撮影(展示物は実機ではない)

1階エントランスホールでは、ソニーの4K撮影用カメラ『CineAlta(シネアルタ)』の展示と、『超高精細画像』『豊かな色表現』といった、4Kならではのソニーの技術を紹介。更に歌舞伎の舞台で使われていた『連獅子』の仔獅子の衣装も展示している。

市川猿之助氏が着た佐藤忠信役の衣装。映像は演目のダイジェスト

また、1階ソニーショールーム1Dフロアでは、市川猿之助氏の衣装の展示に加え、その衣装を撮影した映像を84V型4K対応液晶テレビ〈ブラビア〉「KD-84X9000」で上映している。精細に表現された衣装の細かい刺しゅうや、艶(あで)やかな色合いに目が奪われる。

歌舞伎の衣装は多くの外国人観光客の注目を集めていた

ソニーのデジタル一眼で歌舞伎の小道具が撮影できる体験コーナー

さらに、歌舞伎の小道具をソニーのデジタル一眼カメラで撮影できる体験コーナーのほか、4月5日、6日には、先述した、4K映像をより楽しむための「4K歌舞伎セミナー」(先着120名、予約不要・当日自由参加)も開催予定となっている。

本格的なブームの到来を前に、"一足早い4K体験"ができるのは、大規模なショールームを持つソニーならではの強みとのこと。この春は銀座で"目からウロコの感動"を堪能してはいかがだろうか。