ERA Japanとダイトクコーポレーションはこのほど、首からぶら下げるだけでウイルスを除去できる効果を謳った携帯型空間除菌剤「ウイルスプロテクター」について、自主回収を開始した。

同商品は、ERA Japanが輸入し、ダイトクコーポレーションが販売。首からかけて使用するだけで、空気中のインフルエンザウイルスなどを除去できると宣伝していたが、これまでに化学熱傷を負う事故が相次いで発生し、消費者庁が使用中止を呼びかけていた。

今回の事態を受け、両社は同商品の自主回収を開始。返品方法は、佐川急便着払い便にてERA Japan回収センターまで送付すると、回収商品到着後、3月1日より順次代替商品が発送される。

また、消費者庁は同商品について、新たに18件の事故が確認されたと発表(2月21日正午時点)。事故件数は、これまでに報告された6件と合わせて計22件となる。新たに寄せられた事例としては、「首にかけて横向きに寝ていたため、布団と顔の間に挟まるような形になり、やけどを負った」(女児6歳)、「首から下げていたら数日後に皮膚がただれた」(男性60歳代)、「両側手掌部にかゆみを伴う発赤を認め、当院に来院。当該製品を手に持って遊んでいたことが原因と推測される」(男児1歳未満)などがある。

併せて、18日に発表された事例のうち、その後写真提供があった3例を公表。その中では、同商品をポケットに入れて使用中、大腿部にやけどを負った10歳男児の症例などが公開されている。

化学熱傷を負った大腿部(出典:消費者庁Webサイト)

化学熱傷の症状は、通常数日後に発症する普通のかぶれとは違い、使用してから数時間で起こる点が特徴。かぶれのかゆみではなく、やけどをした時の比較的強いヒリヒリした感じになるという。同庁は、除菌剤が当たっていた皮膚が赤くなった場合は、まずぬるま湯でしっかり洗い流し、早めに皮膚科を受診するよう呼びかけている。