吉本興業100年の歴史を月替わり12本の芝居でつづる『吉本百年物語』の7月公演「笑う門には、大大阪」(7月8日~8月2日 大阪・なんばグランド花月)の制作発表が11日、大阪市内で行われ、出演者の南野陽子、小籔千豊、山崎邦正らが出席した。

『吉本百年物語』7月公演に出演する金子昇、小籔千豊、南野陽子、藤林美沙、山崎邦正(写真左から) 拡大画像を見る

本公演の舞台は、日本一の人口を擁し、モダンな文化が花開いていた昭和10年の大阪。吉本興業の創業から20数年、興行界に着々と勢力を伸ばす吉本せい(南野)と弟・林正之助(小籔)の奮闘記と、2人が心血を注いで育てあげた伝説の夫婦漫才師“ワカナ・一郎”の誕生秘話を描く。

南野は自ら演じる吉本せいについて「会社を大きくする天才的な才能と努力、懐の大きさを持った女性」と印象を。「せいさんのどっしりと落ち着いた部分を出せればと思っていましたが、(会場が)なんばグランド花月ということで、お客さんはそれとは違うものを求めているのかも。どんなせいさんを演じるのか本番まで迷いながら、新しい吉本せいを作り上げたい」と役作りに意欲を見せた。

また、兵庫県出身の関西人とあり、吉本の劇場にも「何度か足を運んだ」と南野。「漫才ブームだった中学の頃、うめだ花月で『ナンノ』と書いた10円玉を舞台のザ・ぼんちさんに投げて、『これ何や?"ナンノ"?』と名前を呼んでもらったことが当時の自慢でした。5枚ほど投げましたが、今思えば大変失礼なことをしました(笑)」と意外なエピソードを明かし、小籔らを驚かせていた。

一方、小籔は「中学の頃は南野さんにあこがれて、生徒手帳に写真を入れてました」とファンだったことを告白。「今回の共演でもし南野さんが僕を好きになってグイグイ来られたらとどうしようかと。今の僕には嫁も子どももいますので、家庭を壊されたら困ります」とあこがれのアイドルとの熱愛を妄想する小籔に、すかさず山崎から「大丈夫!絶対そうなれへんから!」とツッコミが飛んでいた。

山崎は、天才女性漫才師・ミスワカナの相方・玉松一郎役。一郎のトレードマークだったアコーディオンを担いで登場したが、「本当に重い。5分ぐらいで肩が外れそうになりました(笑)」とその重さに四苦八苦。舞台では演奏も披露する予定で「一度教えてもらいました。練習中はほとんど雑談ばかりしてたので、まだ手応えはないですが(笑)、本番までにはなんとかマスターしたい」と意気込みを話していた。