デルは13日、同社初のUltrabook「XPS 13」の国内発表にあたり、新製品説明会を開催した。1月に開催された「2012 International CES」で公開されて以降、大いに話題となった新製品のお披露目とあって、デル側のプレゼンターからは力強い期待の言葉が相次いだ。

XPS 13

「XPS 13」を皮切りに「XPS」はプレミアム・スリムに

最初に登壇したのは、マーケティング本部 統括本部長の原田洋次氏。同氏は登場するや開口一番、「薄すぎて見えないかもしれませんけれど」といいながら「XPS 13」を高く掲げて見せ、「満を持して」「渾身の一作」といった言葉で製品への自身を見せた。

マーケティング本部 統括本部長 原田洋次氏

同氏からは製品の説明に先立って、この2月からのマーケティング体制について説明された。同社はこの「より日本にフォーカスし、ソリューションカンパニーとしてコンシューマーから法人まで一貫して対応できる体制に」ということで、これまで「従業員数500名以上の企業と公共機関」「従業員数500名未満の企業と個人」という2つに分かれていたビジネス部門を統合し、マーケティング本部が統括することになったことを明らかにした。

同社がマーケティング部門を顧客セグメントごとに分割したのは約3年前。それが変遷を経て再び1つのマーケティング部門で対応することになったわけだが、たんに昔の体制に戻ったということではなく、この3年間の各部門の経験を活かしつつ、一貫してソリューションを提供する体制が整ったのだという。

製品に関連しては、「XPS」のブランディングの発展について言及。これまで「パワフル・ハイエンド」という特徴を訴求してきた同シリーズだが、このシリーズには「プレミアム・スリム」という特徴が加わってくるのだという。その皮切りが、今回発表される「XPS 13」ということになる。

この2月にマーケティング体制を変更

今後「XPS」のブランドには「プレミアム」「スリム」という要素が加わる

さらに同氏は、デルのさまざまなプロモーション活動やソーシャルメディアを通じたコミュニケーションの取り組みを紹介。その中では、サポートにTwitterやFacebookを活用していることなどを紹介した。同氏は新体制が提供するソリューションについて説明する際にもサポートの強化について言及しており、同社がコンシューマー向け商品の展開においてサポートを重視していることを強く印象づけた。

最後に原田氏の話は再び「XPS 13」に戻り、「一言でいうと、究極のモバイルソリューション」と表現。「みなさん、最後発だと思ってらっしゃるかもしれませんが、後出しだからこそ他社に負けない、練って練って作った渾身の一撃」「我々のこれからの命運を握っている製品」など、あらゆる表現でこの製品への期待を語った。

「XPS 13」がターゲットとするのは個人ユーザーだけでない。すでに法人・公共機関からも多数の問い合わせがあるという

「未来は、細部に宿る」というのがこの製品のキャッチコピー

Ultrabookは「薄い・軽い」というだけのものではない

インテル マーケティング本部 本部長 山本専氏

続いてはインテルより、マーケティング本部 本部長の山本専氏が登壇。同氏もCESで公開された「XPS 13」には大きく期待していたと語り、日本国内で発表となったことを改めて祝福した。

山本氏のプレゼンテーションは、Ultrabookとは何か再確認するもの。同氏によれば、Ultrabookのコンセプトが生まれるにあたっては「本当にわれわれはユーザーの望むモノを作っているのか」という疑問があったという。ここから、ユーザーが何を求めているのかのユーザー調査を行い、「見た目」「すぐに使いたい・再開したい」「簡単に・快適に使いたい」といったニーズを掘り出し、「PCを再定義するくらいの意気込みで」Ultrabookのコンセプトを2011年に提唱したのだという。

徹底したユーザー調査からコンセプトを導き出したのがUltrabook

同氏が強調したのは、Ultrabookは「薄い・軽いという点だけがフィーチャーされているかもしれませんが、それだけでありません。高性能・応答性・安全・デザイン・長時間バッテリといった特徴を備えた製品はこれまでニッチの価格帯になっていましたが、それを多くの人の手が届く価格帯にする、そういうカテゴリ」であるという点。また、「ユーザーが必要としているものを、今現時点における最高のテクノロジーを投入し」て実現するものであるとして、技術の進化に伴ってUltrabookそのものはこれからも進化していくのだと語った。

このUltrabookの認知拡大に向け、インテルは過去に行ったプロモーションとしては最大規模のものだった「Centrino」のキャンペーンに匹敵するプロモーション活動を展開するという。そしてその最重要戦略地域のひとつが日本であり、日本でもテレビCMやソーシャルメディア、販売店、イベントなどを通じて積極的に活動していくという。

テクノロジーの進化にともない、Ultrabookも進化する

認知拡大へのプロモーションも積極的に展開される

最後にデルとの長年のパートナーシップについて触れ、「その絆は『革新性』ということだと思います」とし、CESにおいて「XPS 13」が発表された際の写真も紹介しながら、「このようにわれわれは手を取り合って、革新性を追求していきたい。とくにUltrabookの新しいカテゴリを立ち上げるところでも、それを継続していきたい」と締めくくった。

「XPS 13」が提供する4つの"驚き"

マーケティング本部 コンシューマー&SMBブランド チームマネージャー 秋島健一氏

製品概要について解説したのはマーケティング本部 コンシューマー&SMBブランド チームマネージャーの秋島健一氏。同氏は、「市場に一番乗りとはいきませんでしたが、かわりに磨き上げて、みなさまに驚きを提供できる製品に仕上がった」と語った。

「XPS 13」が提供する4つの"驚き"

同氏が挙げたその"驚き"の具体的な内容は4つ。まずスマートさ・エレガントさについては、購入時に美しいだけでなくそれが持続する指紋や傷のつきにくいアルミフレームの天板、強度を保ちつつ軽量化を実現するためのカーボンファイバーボディを紹介。また、キーボードについても、そのキータッチとバックライトの便利さを強調した。

次に紹介したのがディスプレイ。Ultrabookの中でも、1.5kgを切るような製品で強度の高いGorilla Glassを採用しているのはこの「XPS 13」だけであり、「たわみとは無縁」とそのアドバンテージを紹介。またフレームいっぱいまでディスプレイが迫っている狭額ベゼルについても触れ、「11インチボディとしては大画面、13インチディスプレイ搭載の製品と比べれば省サイズ」とそのメリットを表現した。

1つめの驚き、スマートさ

2つめの驚き、ディスプレイ

3つめのポイントはすばやい起動。Intel Rapid Startに最適化した設計により、「1」秒でスリープから復帰、「4」秒で休止状態から復帰、「8」秒で電源オフから起動を実現。これにより、スマートフォンやタブレットに負けないシームレスな作業環境を実現したという。

そして最後に挙げたのがサポートに関する点で、今回の「XPS 13」では既存製品にオプションとして提供されているプレミアム電話サポートが標準で提供されるという。このサービスは24時間・365日対応でWindowsやソフトの動作についての問い合わせも受けるというものだが、それが「XPS 13」で標準となったのは、「磨き上げた製品とサービス」というコンセプトに従ってのことであるとした。

3つめの驚き、すばやい起動

4つめの驚き、サポート

「XPS 13」が想定するユーザーとしては、従来「XPS」シリーズがメインターゲットとしてきたハイエンド・ハイパフォーマンス志向の個人ユーザーだけでなく、法人顧客も視野に入れているという。そのため、Windows 7 Professional/Ultimateにも正式に対応し、法人向けサポートも提供される。

「XPS 13」では個人ユーザーだけでなく法人ユーザーも視野に入れていくという

最後に同氏は、DELL Real Siteや大手量販店の発売時点から店頭展示がある店舗を紹介。「お客様が、もし実機が見たいということであれば、こういった店舗でぜひ『XPS 13』を通じた新しい体験をしてほしい」とした。

「XPS 13」の実機に触れられる店舗を紹介

クラフトマンシップを強調するキャンペーンを展開

マーケティング本部 コンシューマー マーケティングコミュニケーションマネージャー 横塚知子氏

最後に、マーケティング本部 コンシューマー マーケティングコミュニケーションマネージャーの横塚知子氏が「XPS 13」のプロモーションについて紹介。「デザインの細部にまでこだわったクラフトマンシップ製品」であることを訴求するための各種キャンペーンを実施するという。

まず、認知キャンペーンとして販売価格180万円の高級ロードバイクなどがあたる発売記念のキャンペーンを実施。商品理解向上の施策としてはマイナビニュースにて3月26日より「XPS 13×伝統文化を受け継ぐ13人の匠」と題し、伝統工芸などの分野で活躍する13人のクリエイター/職人たちとのコラボレーション企画を展開する。また、商品を体験をしてもらうためのイベントとして、前述の13人の"匠"たちとのコラボイベントを4月20日より新宿丸井本館で展開する。

販売価格180万円の高級ロードバイクがプレゼントされるキャンペーンを実施。会場で、賞品となるものと同等のロードバイクが披露された。このロードバイクは、カーボンを使用しているという点で「XPS 13」と共通する

クラフトマンシップを協調する施策を展開する

「XPS 13」はビジネスにおける実際のユーザーのニーズを満たす

質疑応答では、今回の「XPS 13」が法人需要もターゲットとしていることに関連し、法人向けノートPCの「Vostro」「Latitude」でもUltrabookをリリースする予定があるのかという質問があった。これに対して具体的な商品についての言及はなかったものの、「デルとしてはUltrabookに強く取り組んでいく」という回答。また「Vostro」「Latitude」については「IT管理者側のニーズを満たすもの」、「XPS 13」については「ビジネスにおける、実際のユーザーのニーズを満たすもの」とその法人需要における性格の違いを説明した。そして、エンタープライズ需要を本格的に満たすのはやはり「Latitude」であるとした。

そして会場で実際に触れることができた実機についてだが、基本的にはマイナビニュースですでに速報インプレッションとしてご紹介している通り。違いは、キーボードが日本語になったところなどしか確認できなかった。また、速報記事でご紹介できなかった点としては、側面のボタンを押すことによりバッテリ残量を示すインジケータが点灯すること、キーボードがバックライト搭載であることが確認できた。

これ以上の詳細については、近日中に詳しい製品レビューを掲載する予定なので、そちらをお待ちいただきたい。

側面のボタンを押すと、バッテリ残量を示すインジケータが点灯

キーボードはバックライト付き

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