第15回電撃小説大賞≪大賞≫を受賞した、川原礫氏の注目作『アクセル・ワールド』(アスキー・メディアワークス 電撃文庫刊)が、2012年4月よりTOKYO MX、テレ玉ほかにて放送開始となる。

TVアニメ『アクセル・ワールド』は2012年4月より放送開始予定

■TVアニメ『アクセル・ワールド』ストーリー概要
2046年、ニューロリンカーと呼ばれる携帯端末を用いることで生活の多くが仮想ネットワーク上で行われるようになった世界。だが、どんなに時代が進んでも「いじめられっ子」はなくならない……。ハルユキもそんな中学内格差(スクールカースト)最底辺に位置する一人であった。ローカルネットの片隅で、ひたすらにスカッシュゲームに打ち込むだけの暗く陰鬱な日々を過ごしていた彼だったが、ある日突然、校内一の有名人《黒雪姫》に声をかけられる。
「もっと先へ……《加速》したくはないか、少年」
彼女から謎のプログラム《ブレイン・バースト》を託され、《加速世界》の秘密を教えられたハルユキは、黒雪姫の『騎士』として戦うことを決意する……!!

コミュニケーションとテクノロジーが融合した近未来を舞台に、謎の対戦格闘ゲーム《ブレイン・バースト》に巻き込まれていく子どもたちの、リアルで等身大の日常劇と恋愛劇、バトルを描いた次世代青春エンタテイメントの傑作『アクセル・ワールド』。そこで今回は、本作のメインキャスト陣が語った作品の魅力などを紹介しよう。

メインキャスト陣が語るTVアニメ『アクセル・ワールド』

今回コメントを寄せてくれているのは、ハルユキ役の梶裕貴、黒雪姫役の三澤紗千香、チユリ役の豊崎愛生、タクム役の浅沼晋太郎といった4人。作品の見どころや自らが演じる役どころなどについて語ってくれている。

――まずはじめに『アクセル・ワールド』の魅力、面白さ、見どころなどを教えてください

梶裕貴「オーディションを受ける時に原作を読ませていただき、すごく面白くて、どんどん読み進めてしまったのを覚えています。男子なら思わずハマってしまうような、ゲーム性のあるストーリーですね。さらに世界設定が、『現代社会の将来はこうなっていくのではないか?』という近未来を暗示しつつ、同時にその社会そのものを面白く風刺している様な部分があると思います。演じるのがすごく楽しみだったので、少しずつハルユキと心を重ねながら頑張っています」

三澤紗千香「ハルユキがだんだん成長していくだけではなく周りのキャラクターもハルユキに影響されて成長していく物語です。黒雪姫はハルユキを導いていく役ですが、逆にハルユキからいろいろな考え方や世界を教えてもらい、同様に私もいろいろな役者さんからいろいろなことを教えてもらっているので、これから、黒雪姫と私がどんどんリンクして、二人とも前に進んでいければいいなと思います」

豊崎愛生「オーディションの時に読んだチユリの原稿はハルユキに対するセリフがほとんどでした。今、すごく楽しくやらせていただいています。オーディションの時からすごくやりたかった役なので、今回チユリを演じさせていただくことになり、とても嬉しいです。チユリのアバターは猫耳がついていたり、人懐っこくてかわいらしく、そしてチユリ本人も本当に猫みたいな女の子で、いつもハルユキのことを心配している、一歩間違えるとお節介になりそうな、でも、許せちゃうような、そんな女の子です。私自身すごくゲームが好きで、ロボットが対戦したりする格闘ゲームをやったりします。原作を読ませていただいて、特にブレイン・バーストをやっているシーンはすごくすごくスピード感があって楽しくて。"加速"というのがこの作品のキーワードですが、まさしく加速したかのように、あっという間に原作を読めてしまいました。チユリは(2話までは)まだブレイン・バーストの世界には混ざっていなくて、ハルと黒雪がゲームの世界にいるのがうらやましいな、と思いながらアフレコをしているところです」

浅沼晋太郎「一つだけ言えるのは、僕が今まで演じてきた役とは少し違うというか、僕はあまりこういう役をやったことがないので、自分としては挑戦、壁だなと思いながら演じています。僕は本を読むのがすごく遅くて、頭に映像が浮かばないとなかなか読み進めていけないんです。例えば、自分の頭の中でキャラクターに俳優さんをキャスティングしてみたり、原作があるアニメのオーディションなどで、原作本を読まなくてはいけない時ですら、わざわざ声優さんの声を一度キャスティングして、イメージが出来てこないと読み進められないんです。読み進めていて、自分の声がそのキャラクターとして頭の中でイメージ出来ない場合は『このオーディションはだめかも』とか。『アクセル・ワールド』の1巻を買って、まだ読むスピードは加速できていませんが、今はもう梶君たちの声で再生されるようになったので、引き続き読み進めていこうと思います(笑)」

――皆さんが演じているキャラクターについての感想をお願いします

「ハルユキはすごく難しい役だなと自分では思っています。ビジュアルも、中身もいわゆるヘタレで、決してカッコいいようなキャラクターではないんです。でも1エピソードの中、現実世界の中でのそういう弱い部分もある一方で、ゲーム世界の中でバーストリンクした時、普段ハルユキ自身が気付かないような本当の部分=熱い気持ちみたいなものが出てくるので、その辺りの切り替えを、はっきりと、でも違和感のないようにカッコよく見せることがすごく大事な役なんだろうなと思いながら、すごく丁寧に演じています」

三澤「黒雪姫は梅郷中学校の副会長で、人望もあって、見た目もすごくきれいで可憐、生徒たち皆に人気がある様な子です。初めてビジュアルを見た時は、私と同じで髪が長いので運命を感じました(笑)。原作を読んだ時に、一見強そうに見せて実はちょっと弱いところがあるのを人には見せられなくて、心の奥には色々あったりするところが黒雪姫にはあると思いました。黒雪姫のそんな突っ張っている感、みんなの前ではしっかりしているようにみえるところは私と一緒で、そこはうまく演じられるかなと(笑)。頑張っているのが決壊してしまう瞬間が私の生活にあって、その瞬間を思い出して、多分黒雪姫はこんな風に心の壁がガサッと崩れていくのだな? とか、こうして心を人に開いていくのだなというのを自分の体験を入れつつ演じさせていただいています」

豊崎「チユリを演じるうえで、いつもハルのいいところを探しながら演じています。チユリはハルと幼馴染で、タクとも幼馴染。今はタクとつきあっているけど、ちゃんとハルのことも好き。ただ、その好きの方向性や種類が、タクとはどういう風に違っているのか? ……チユリの中ではしっかりと自覚しつつも、悩んで迷って……とそんな普通に可愛らしい中学生の女の子です。そういう多感な年頃な部分とかもしっかり表現できたらいいなと思いながら演じています。梶さんも言っていましたが、ハルユキは、よくいるかっこよくて、勉強が出来なくてもスポーツが出来てイケメンとかそういう子ではなくて、基本的に自分に自信もありません。見た目も今までのアニメにあるような主人公という感じではないです。でも、チユリはハルのことをちゃんと見ていて、見た目とかでなく、幼いころから一緒にいるからこそ知っている良さをわかっているし、なんだかんだで見た目とかも好きだと思います。黒雪姫とハルユキがしゃべっているところにまだチユリはいませんが、私自身がその二人のやりとりをじっと横で見てハルのことを好きなチユリの気持ちに近づけるように、ハルを好きな気持ちというのをいっぱい探しつつ演じているところです」

浅沼「ハルが主人公っぽくないと皆さんおっしゃっていたんですが、このメンバーの中で最年長なので、ジェネレーションギャップを感じます(笑)。昔のマンガって、恰好悪い主人公が力を得て、今まで逃げ出していたところから……というものが多かったんですよ。だから、僕としてはハルユキは『懐かしい主人公』です。そういう作品の場合、主人公のコンプレックスが大きければ大きいほど、それを超えたときにすごく強い、今までの出来事をはねのける力があると思うんです。そのコンプレックスを際立たせるさせるための象徴としてタクムがいるような気がします。僕と似ている部分があるかというと、中学の頃、剣道を、やって……いなくてですね(笑)、また中学の頃、彼女もいなかった(笑)。似ているところはないですね。でも、だからこそ思い切ってやれるようなところもあって、なるべくさわやかにみなさんに接していけるようにしたいと思います。後々の好感度がすごく気になるキャラクターです(笑)」

――最後に、これからTVアニメをご覧になる皆さんに一言メッセージをお願いします

浅沼「ハルユキがかわいらしい感じで、小さいんですね。なので、ハルユキの目線とかになったりすると、今までにない構図になったりしていて、見ていて面白いです。まるでゲームをプレイしているどころか、ゲームの中に入り込んでしまったような感覚を味わえるアニメだと思っています。第1話が400カット以上もあって、普通のアニメの1.5倍くらいあったんじゃないかなと。力が入っているなぁと思いました。スピード感も味わえると思うので、そういうところを楽しみにしていてください。難しい言葉がたくさん出てくるのですが、『考えるな、感じろ』というアニメだと思っていますので楽に楽しんでください。よろしくお願いします!」

豊崎「浅沼さんもおっしゃっていたように、カット数もすごく多くて、原作にあるスピード感やバトルの展開の感じや世界観などを映像化した時にどうなるんだろうと私自身すごく楽しみにしていました。それを『サンライズさんが!』となるともうこれは期待せずにはいられなくなっています。ブレイン・バーストのシーン、ゲームの場面のアクションシーンはものすごく楽しみで、みんなのアバターが動いて戦ってという『動きだす』というところがすごく楽しみです。あとは、チユリを演じている中では、カッコいいバトルシーンだけでなく、戦っているアバターの中にいるのはちゃんとした人間で、しかも中学生、15歳までの子たちが一生懸命考えて、悩んで恋をして、泣いたり怒ったりして、という感情の描写がしっかり隠されているので、そういう部分も大事に演じていきたいなと思っています。たくさん出てくるキャラクターの中にはきっと、共感出来る子、かっこいいなと思う子がいるはずなので、自分に似ている子を探しながらとか……見ていただいてもいいのではないかなと思います。どうぞよろしくお願いします」

三澤「原作を読んだ時に、難しい言葉や、未来っぽい設定がいっぱいあって、これが映像になったらどうなるのだろうと自分の頭の中なんとなくはイメージを作ることが出来たのですが、実際どういう機械を使っているか、とか、そういう原作の挿絵にない部分はやはりわからず、『なにか首についているんだろうな』だとか曖昧なところがありました。でも、それが日常生活に当たり前のように溶け込んでいて、そんな世界がもしかしたら何十年後かに出現しそうな雰囲気があるというか、今も世界中のどこかのハイテクな国ではありえるのではないかと思えるリアリティも感じられました。そうだったらいいなと思える、ワクワクする世界が『アクセル・ワールド』の中には広がっていて、その中でもブレイン・バーストというゲームでは、たくさんの人がいて、いろいろな分身、アバターがいます。そこで戦っている中の人の戦う目的というのは一人一人違うと思うんです。ただ、『勝利を追い求めたい』とか『仲良くなりたい』とか、本当にいろいろな人がいて……。ゲームの中が、普通の世界と同様に、ちゃんと人がいて、技でぶつかるというのもあるし、心がぶつかるということがすごくある作品だと思います。戦っている同士の気持ちを考えて見てくださったら、きっと色々な感情が生まれて、観ている皆さんの気持ちがたくさん動く作品になると思います。これからどんどん作品を盛り上げていきたいと思っているので、応援してください!! 頑張ります!」

「一見派手で、ゲーム的な面白さ、バトルなどが、わかりやすくカッコよく表現されているアニメだと思います。しかし、実際に見ていただくとわかるのですが、心のぶつかりあいがあり、"コンプレックス"という言葉がキーワードになっていて、キャラクター一人ひとりの内面をすごく深く掘りこんである作品です。『何故そういう風に戦うのか』、『どうしてそういう姿をしているのか』といったところにこの作品の面白さはあると思うので、その点にも注目していただきたいなと思います。バトルシーンが目玉でもあるのですが、1話あたり台詞の量がびっくりするくらい多いんです。ものすごく言葉がたくさん詰まっていて、何人かのキャラクターが、自分の内にあるモノローグ……考えていることを、自分の言葉でしゃべって、その言葉同士のぶつかり合いがあったりします。僕たちもぶつかり合うような気持ちで演じているので、その熱い部分も楽しみにしていただければなと思います。アニメで初めてこの作品を知ったという方も純粋に楽しめると思いますし、もともとの原作ファンの方々も、きっと満足していただけるような出来になっていると思います。オンエアーを楽しみに、そして最後まで見ていただけたらなと思います。宜しくお願いします」

――ありがとうございました

TVアニメ『アクセル・ワールド』は、2012年4月よりTOKYO MXほかにて放送開始予定。

TVアニメ『アクセル・ワールド』放送スケジュール

放送局 放送開始日 放送時間
TOKYO MX 2012年4月6日 毎週金曜日 深夜0時30分~
テレ玉 2012年4月6日 毎週金曜日 深夜1時00分~
チバテレビ 2012年4月7日 毎週土曜日 深夜1時00分~
tvk 2012年4月7日 毎週土曜日 深夜1時30分~
テレビ愛知 2012年4月7日 毎週土曜日 深夜2時20分~
MBS 2012年4月7日 毎週土曜日 深夜2時58分~
HBC北海道放送 2012年4月9日 毎週月曜日 深夜1時56分~
RKB毎日放送 2012年4月9日 毎週月曜日 深夜2時25分~
BS11 2012年4月13日 毎週金曜日 深夜0時30分~
AT-X 2012年4月8日 毎週日曜日 23時00分~
毎週土曜日 17時00分~
毎週日曜日 10時00分~
キッズステーション 2012年4月20日 毎週金曜日 深夜0時00分~/ 深夜4時00分~
毎週日曜日 23時00分~
※放送日時は都合により変更になる場合がある

そのほか、ニコニコ動画、ワーナー・オンデマンド、バンダイチャンネル、 PlayStation Store Video Unlimitedにて 4月10日(火)より随時配信開始予定となっている。

■TVアニメ『アクセル・ワールド』おもなスタッフ
原作 / 川原礫◆原作イラスト / HIMA◆監督 / 小原正和◆シリーズ構成 / 吉野弘幸◆キャラクターデザイン・アニメーションディレクター / 愛敬由紀子◆デュエルアバターデザイン・アクション監督 / 椛島洋介◆メカデザイン / 神宮司訓之、沙倉拓実、大河広行、山根まさひろ◆セットデザイン / 青木智由紀、イノセユキエ◆メインアニメーター / 田畑壽之、阿部望◆プロデュース統括 / GENCO◆アニメーション制作 / サンライズ◆製作 / AW Project

■TVアニメ『アクセル・ワールド』おもなキャスト
黒雪姫 / 三澤紗千香◆ハルユキ / 梶裕貴◆チユリ / 豊崎愛生◆タクム / 浅沼晋太郎
(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project