家の中にあるデータを持ち運ぶ

ここまでスマートフォンやタブレットからアクセスする使い方をご紹介したが、既に家のPCにある画像/動画/音楽などのメディアファイル、仕事で使うオフィス文書など、自分が使う可能性があるデータをLS-VLシリーズに一通りコピーしておくと、さらに便利に使える。

PCのHDD、外付け型HDD、CD/DVDメディアに保存されているデータも、LS-VLシリーズの付属CD-ROMを使ってPCをセットアップすれば、すぐにLS-VLシリーズをPCから読み書きできるようになる。セットアップ後は、必要なデータをLS-VLシリーズの「webaxs」フォルダへコピーすればよい。

もちろん、LS-VLシリーズにはPCからでもリモートアクセスできる。LS-VLシリーズのWebアクセス機能は、PC上のWebブラウザをユーザーインタフェースとして利用するため、まずBuffaloNAS.comにアクセスして、自分で設定した「BuffaloNAS.comネーム」を入力するだけだ。

LS-VLシリーズとPCが同一ネットワークにある場合、ネットワーク共有フォルダとしてアクセスできる

LS-VLのWebアクセス機能はPCのWebブラウザでも利用可能。Webブラウザの画面がエクスプローラ風のインタフェースになる

手放せなくなるパーソナルクラウド

LS-VLシリーズでパーソナルクラウドを構築し(といってもWebアクセス機能を有効にするだけだ)、いろいろなデータを保存してAndroidスマホからアクセスしてみたわけだが、この便利さは病みつきになる。幸い、筆者はUQ WiMAXのモバイルWi-Fiルータを常用しているため、東京近郊のほとんどの場所で速度的な不満もなく自宅のLS-VLシリーズへリモートアクセスできた。3G回線でもアクセスしてみたが、電波状況がよほど悪い環境でなければ、画像のスライドショーや音楽の再生ならそれほどストレスは感じない。

これまではスマホ内部のデータ容量が気になり、Androidスマホで持ち歩く動画や音楽を割と頻繁に入れ替えていて、正直かなり面倒に思っていたものだ。今回、それがまったく必要なくなった。電車での移動中や予定の待ち時間、ファストフード店やカフェで休憩しているときなど、手持ちのAndroidスマホで自宅のLS-VLシリーズにサクッとアクセスして、観たい動画や聴きたい音楽を楽しめるのは本当に便利。Androidスマホのストレージ容量が無限に近くなったかのような感覚だ。

今回試用したLS-VLシリーズは、スマートフォン/タブレット端末との連携以外にも、便利な機能を豊富に備えている。ネットワーク内のPCから読み書きが速いのはもちろん、「スカパー! HD」チューナーや東芝のテレビ「レグザ」の録画先としても使えたり、DTCP-IP/DLNA対応のメディアサーバ機能も搭載する。本体背面にはUSBポート×1基を持ち、USB接続の外付け型HDDで容量を増設できるほか、プリンタ/複合機などをネットワーク内のPCで共有するUSBデバイスサーバ/プリントサーバ機能も利用可能だ。Mac OS Xのバックアップ機能「Time Machine」に対応しているのも、Macユーザーには嬉しいところだろう。また、NTTドコモの「ポケットU」をサポートしており、NTTドコモの携帯電話(フューチャーフォン)からでも、自宅のLS-VLシリーズへリモートアクセスできる。

LS-VLシリーズ

LS-WVLシリーズ

スマートフォン/タブレット端末は、インターネットとの親和性(Webブラウズやメールなど)が注目されることが多いが、コンテンツや各種データのビューワーとしても十分な性能と使い勝手を備えている。それを存分に活用して楽しむために、LS-VLシリーズによるパーソナルクラウド環境はうってつけだ。普段からコンテンツビューワーとして利用している人だけでなく、スマートフォン/タブレット端末の容量が不安だったり、データの入れ替えを面倒に感じている人に、ぜひオススメする。LS-VLシリーズには、500GB/1TB/1.5TB/2TB/3TBという5モデルがラインナップされているので、予算に合わせてなるべく大容量のモデルを選ぶとよいだろう。

また、LS-VLシリーズの上位シリーズとなる「LS-WVLシリーズ」もオススメだ。こちらはHDD×2台を内蔵する2ドライブ構成のNASで、各HDDを別々に使うモードのほか、RAID 0(ストライピング)とRAID 1(ミラーリング)に対応している。万が一、内蔵するHDDが故障しても、ユーザー自身で交換することが可能だ(交換用のHDDはバッファローの「HD-HFBS2/3G」シリーズ)。BuffaloNAS.comネームを用いたWebアクセスにも対応し、その他の主な機能もLS-VLシリーズとほぼ同等だ。