主人公・住田祐一役の染谷将太(左)と、ヒロイン・茶沢景子を演じた二階堂ふみ(右)

第68回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された『ヒミズ』で、主演の染谷将太(19)と二階堂ふみ(16)が最優秀新人俳優賞にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞。帰国した2人が11日、都内で緊急記者会見に臨み喜びを語った。

まず、受賞したと知ったときの感想を訊かれた染谷は「本当か? と疑いました。いまでもあまり実感がなくふわふわしているのですが、こうやって会見を開いていただいたりと、徐々に実感してきました」とコメント。染谷からの電話で受賞を知った二階堂はまだ実感が沸いていないという。

自分の映画で初めてスタンディング・オベーションを受けたという染谷。「ヴェネチアの皆さんがすごい拍手を送ってくださって、イタリアの方々に『がんばれ住田!』(劇中のセリフ)と日本語で声をかけてもらったのが印象的でした」と感動を新たにしていた。二階堂も「拍手がなかなか止まらなくて、すごくうるうるきてしまったんですけれど、海外の方にこの映画を見ていただいたことがすごく嬉しかったし、『がんばれ!』っていうのを私たちに対してだけでなく、日本に対して言ってくれているような気がしました」とコメント。

3月の震災を受けて急遽、園子温監督が被災地を舞台とした脚本に書き換えた本作。実際に被災地でも撮影を行ったというが、染谷は「被災地での撮影は最終日だったんですが、実際に行ってみて言葉が出ませんでした。スタッフもみな同じで、空っぽというか、頭の中が真っ白になりました。園さんがあのとき決意していなかったらあの絵はとれなかったし、海外の映画祭にあの風景を持っていくこともできなかったと思います」と語った。

『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほかにて全国順次ロードショー。