ソニーは23日、ブルーレイディスクレコーダー5製品を発表した。新モデルのラインナップは、地上/BS/110度CSデジタル用チューナーを3基ずつ搭載するHDDが2TBの「BDZ-AX2700T」、同じく地上/BS/110度CSデジタル用チューナー3基ずつと1TBのHDD搭載モデル「BDZ-AT970T」、地上/BS/110度CSデジタル用チューナー2基ずつと1TBのHDD搭載モデル「BDZ-AT950W」、地上/BS/110度CSデジタル用チューナーを3基ずつと500GBのHDDを搭載モデル「BDZ-AT770T」、さらに地上/BS/110度CSデジタルチューナー2基ずつに加えてスカパー!HD用チューナーを1基搭載する500GBのHDD搭載モデル「BDZ-SKP75」の5機種。

価格はすべてオープンで、推定市場価格はBDZ-AX2700Tが23万円前後、BDZ-AT970Tが13万円前後、BDZ-AT950Wが12万円前後、BDZ-AT770Tが10万円前後、BDZ-SKP75が11万円前後だ。発売はBDZ-SKP75が10月下旬で、それ以外は10月上旬となっている。すでに発表・発売済みの「BDZ-AT750W」「BDZ-AT350S」とあわせて、同社の2011年秋冬のBDレコーダーのラインナップは、全7製品となる。

本体サイズ/重量はBDZ-AX2700Tが約W430×D283×H81mm/約6.0kg、BDZ-AT970Tが約W430×D283×H56mm/約3.7kg、BDZ-AT950Wが約W430×D283×H49.5mm/約3.4kg、BDZ-AT770Tが約W430×D283×H56mm/約3.5kg、BDZ-SKP75が約W430×D283×H56mm/約3.6kgとなっている。

普及価格帯で地上/BS/110度CSデジタルチューナーを3基ずつ搭載した「BDZ-AT970T」。外付けHDDへの録画にも対応している

上位モデルの「BDZ-AX2700T」は映像エンジンに「CREAS Pro」を搭載するほか、ヘッドホン装着時にバーチャルサラウンド機能を利用可能だ
型名 発売時期 価格 推定小売価格
BDZ-AX2700T 20111年10月上旬 オープン 23万円前後
BDZ-AT970T 13万円前後
BDZ-AT950W 12万円前後
BDZ-AT770T 10万円前後
BDZ-SKP75 2011年10月下旬 11万円前後

2011年秋冬モデルのポイントは録り逃し対策

現行規格のBDレコーダーが国内市場に登場したのは、2006年の年末。2008年度には、その年の出荷台数がDVD搭載モデルを超え、普及期に入っている。一方でユーザーからの要望として、録画したい番組の録り逃しを減らしたいというものがあった。録り逃しの原因は、「録画したい番組が同一時間帯で重複する」「録画予約をするのを忘れた」「HDDの空き容量不足」などが一般的だ。新モデルの大きな特徴が、これらの録り逃しを減らすための機能が充実していることだ。

まず、録画したい番組の重複に対しての対策は、デジタルトリプルチューナーの搭載。型番の末尾に末尾に「T」が付くBDZ-AX2700T/AT970T/AT770Tの3モデルは、地上/BS/110度CSデジタルチューナーをそれぞれ3基搭載しており、Wチューナーモデルでは録画できなかった3番組の重複にも対応可能だ。もちろん、3基のチューナーのいずれもが長時間モードに対応している。3番組同時録画中のマルチタスク能力は従来の2番組同時録画と同等で、3Dタイトルを含むBDソフトの再生や、おでかけ転送用ファイル作成、追いかけ再生などが可能だ。さらに、BDへの高速ダビング、DLNAでのコンテンツ利用などにも対応している。

また従来のレコーダーでは、録画したい番組があってもHDDの残り容量が少なくて録画できないというケースも多かった。さらに、デジタルWチューナーを搭載していても、長時間モードが使用できるのは1基のみで、もう片方のチューナーでの録画は、自動的に高画質モードになってしまうという点も、HDDの容量消費に拍車をかけていた。新モデル(BDZ-AT770Tを除く)では、USB接続の外付けHDDに録画することが可能になった。登録できるHDDは最大10台までで(同時に使用できるのは1台)、容量は2TBまでなので、最大で「20TB+内蔵HDD分」の容量の録画が可能というわけだ。

レコーダーの背面に搭載されたUSB端子が配置される

USB接続したHDDは、内蔵HDDと同じ感覚で使用できるほか、自由に名前をつけることも可能だ

外付けHDDへの録画には、同時に1番組しか録画できない(内蔵HDDと組み合わせれば複数番組の録画は可能)、自動録画やリモート録画に非対応といった制限があるが、長時間録画モードや追いかけ再生などについては内蔵HDDと同様に利用できる。なお、内蔵HDDと外付けHDD間では、録画したコンテンツのダビングだけでなく、ダビングの残回数を減らさずに移動のみを行うことも可能だ。外付けHDDに録画した番組を内蔵HDDにコピーないしムーブすれば、ソニールームリンク(DLNA)や、お出かけ転送なども利用できる。

録画予約忘れ対策としては、従来から同社のレコーダーが装備している自動録画機能「x-おまかせ・まる録」と、スマートフォンを利用して外出先からでも録画予約が可能な「Cah-Toru」。x-おまかせ・まる録は、キーワードやジャンルによる自動録画と、おすすめ番組の自動録画を行う機能。キーワードは、放送・録画されている番組のEPG情報から選択することも可能だ。Chan-Toruは、「Gガイドテレビ王国」の番組表を利用して、スマートフォンで録画予約を行う機能。タブレットやPC、Macでも利用可能となっている。

内蔵モデルだからこそ可能な機能を搭載する、スカパー!HDモデル「BDZ-SKP75」

従来も、LANケーブルなどでスカパー!HDチューナーと接続して、ハイビジョン録画が可能なレコーダーは存在した。しかし、番組表がスカパーチューナー側のものしか利用できないなど、チューナーが内蔵されている地上/BS/110度CSデジタル放送に比べると、使い勝手は優れているとは言い難かった。レコーダーと専用チューナーを接続する従来形式では長時間録画モードに対応していなかったのに対して、BDZ-SKP75ではスカパー!HDチューナー内蔵により長時間録画モードも利用可能になるなど、使い勝手が大きく向上している(表参照)。もちろん、配線などの手間がなくなるのも大きなメリットだ。

機能 BDZ-SKP75 スカパー!HDチューナーをLAN接続した場合
x-おまかせ・まる録での自動録画
長時間モード
番組表からの一発予約
おでかけ転送ファイル同時作成
おまかせチャプター 6分間隔
ダイジェスト再生
USB接続HDDへの録画

デジタルWチューナーに加えてスカパー!HDチューナーも内蔵した「BDZ-SKP75」

シーリングドア内には、通常のB-CASスロットのほかに、スカパーICカード用のスロットも配置される

スカパーでは、連続ドラマなどの同じ番組がリピート放映されるケースが多い。このようなケースで番組名を指定して自動録画を行うと、同じ番組が何回も録画されてしまうことになる。BDZ-SKP75ではスカパー!HD専用のアルゴリズムを採用しており、既に録画済みの番組はスキップして未録画の番組のみ自動録画を行うことが可能だ。また、その番組の途中から録画しような場合には、再放送分を正しく録画するといった機能も搭載されている。なお、現時点でBDZ-SKP75が対応しているスカパーのチャンネルはスカパー!HDのもののみで、SDの番組には対応していない。ただし、来年の10月には、HD放送だけでなくSD放送の受信や録画も可能となる予定だ。

また同社では、BDレコーダーの新製品の発売に合わせて増設用の外付け式HDDも発売する。3.5インチのドライブを内蔵した容量1TBの「HD-D1」、2TBの「HD-D2」と、2.5インチのHDD(500GB)を使用したポータブルタイプ「HD-EG5」の計3モデル。いずれも、データの高速転送が可能なUSB3.0に対応している。価格はいずれもオープンで、推定市場価格はHD-D2が15,000円前後、HD-D1が11,000円前後、HD-EG5が10,000円前後だ。発売はHD-D1/D2の2モデルが10月上旬、HD-EG5が10月下旬となっている。