J.K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』がついに電子書籍化される。シリーズ7作すべての配信は新たに開設された「Pottermore」というサイト上でのみ行われ、Amazon.comやiBookstoreなどの既存の電子書籍販売ルートは一切介さない。

ローリングは『ハリー・ポッター』の8作目を執筆する可能性については否定したが、今回の電子化に際してキャラクターや場所、アイテムに関して約18,000語を追加コンテンツとして書き下ろしたという。

Pottermoreではローリングのメッセージビデオが視聴できる
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電子書籍嫌いとして知られていたローリングだが、「個人的には紙の本が好き。でも最近初めて電子書籍をダウンロードしてみたんだけど、旅行中や子どもに読ませたい時には最高ね。『ハリー・ポッター』をこの新しいメディアに乗せることができて嬉しいわ」と、すっかりその認識は変わったようだ。

「Pottermore」で提供されるのは単なる電子化された『ハリー・ポッター』ではない。全編に渡り新しい挿絵がちりばめられ、読者参加型の仕掛けも用意されている。ユーザーはまずサイトで使用する「魔法の名前」を選ぶ。時折出題される選択肢を選びながら章を読み進めると、グリフィンドールをはじめとした自分のタイプに合う寮に配属される。もしグリフィンドール以外の寮に決まれば、そこから派生する新たな物語を読み進めることができる。

「Pottermore」は現在利用希望者のメールアドレス登録を受け付けており、先着100万人にサイトが先行公開される。ハリーの誕生日である7月31日にオープンし、本格稼働は10月からとなる。英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語に対応しており、使用可能言語は今後増える可能性もある。