"朝ラー族"増殖中

"朝ラー"という言葉をご存じだろうか。これは朝ラーメン、つまり朝食として食べるラーメンのこと。福島・喜多方や静岡・藤枝などの地域で、早朝から営業しているラーメン店で朝食を食べる習慣があり、そこから生まれたとされる言葉だ。その"朝ラー"が最近、都内でも増加中と聞いた。

その中でも人気が高いのが、東京・新橋の「ヒノマル食堂 つけ麺 なおじ」。こちらで人気の朝ラーは、「朝ラーセット」(650円)。通常提供している醤油味の「特製ラーメン」(500円)に、「ヒノマル食堂 新橋本店」でランチ時に提供している親子丼「薩摩がんこ赤鶏 刺身親子丼」(680円)のミニサイズをセットした内容で、毎朝6時の開店から8時まで提供する。朝からなかなかのボリュームだが、「新橋のサラリーマンは、1,2時間かけて通勤している人も多く、朝食べて来ない人も多いようです。会社に行く前にサッと食べられてちょうどよいと好評です」と本店の三島大輔氏。同店では店名の通りつけ麺も提供しており、つけ麺と親子丼のセット「朝つけセット」(700円)も用意する。

新橋駅からすぐのガード下に立地。新潟発のラーメン店「なおじ」と、佐賀発の居酒屋「ヒノマル食堂」のコラボ店舗。スタンディング形式。新橋、有楽町には「ヒノマル食堂」系列店3店舗がある

ラーメンとミニ親子丼をセットした「朝ラーセット」(650円・6時~8時限定)。国産小麦を使った自家製の細麺に、店で炊いたコクがありつつあっさりの醤油スープがよく合い、朝でも箸が進む。

ラーメン&レア鶏肉の親子丼で朝から元気に!

同店のラーメンは、じっくり店で炊いたゲンコツとモミジのスープをベースにしており、あっさりとした昔ながらの醤油味。たっぷりのおろし生姜を加える独自のスタイルで、さっぱり。これなら朝からでもおいしくいただける。

親子丼を見ると鶏肉がレア。「えっ!? 」と少し不安になっていると、三島氏が「刺身でも食べられる新鮮な鶏を使っています」と説明してくれた。この鶏肉は、同店用に専用飼育した鹿児島産・薩摩がんこ赤鶏。鮮度を保つためにわざわざ空輸し、火入れはレア状態でストップ。鶏肉の旨みがギュッと詰まった味わい深い親子丼に仕上がっている。ちなみに親子丼のミニサイズは朝のみの提供だ。

親子丼は鶏肉がレアな状態

ラーメンはたっぷりのおろし生姜で一層さっぱり

同店は、始発から終電まで利用してもらえるように、6時から翌1時までという長い営業時間を設けている。時間帯ごとに目玉商品を作ろうと考えたのが、朝ラー誕生のきっかけだった。2010年4月のオープン時から朝ラーは提供されており、今ではすっかり周辺のサラリーマンに馴染んでいる。「明日、軽く"朝ラーミーティング"やっとく!? 」なんていう会話がサラリーマンの間で頻繁に交わされる日も近いかもしれない。