2月から3月初旬にかけて開催された国内時計メーカーの展示会レポート。セイコーシチズンに続く第3弾はオリエント時計である。

セイコー、シチズンと3社合同で展示会を行ったオリエント時計

過去のスポーツシリーズがダイバーズで復活

M-FORCE 200m「WV0011EL」。個性的かつ現代的なデザインの200mダイバーズ

オリエントで最も注目されたのは、本格スポーツウォッチ「M-FORCE」が、新型ダイバーズ「M-FORCE 200m」として復活したこと。このシリーズは1997年に第1弾が発売された。名称は「メカニカル・フォース」の略で、この言葉通りの力強いイメージで好評を博した。

今回の復活にあたり、力強さにスマートさを兼備したデザインを追及。JIS規格のスキューバダイビング用200m防水とし、特殊構造により衝撃吸収性もあわせ持つという。

強力な夜光であるルミナスナイトを針やインデックスに配し、潜水時間の記録に使用する回転ベゼルをはじめ、ダイバーズとしての基本能力は完璧なまでに備えている。潜水時間のインデックス部分が凹状となるように、深くカットを入れた回転ベゼルのデザインが目を引く。文字盤はブラックのほか、ブルー、オレンジと、見る者を楽しませるカラーリングも用意された。

コストパフォーマンスにも優れており、今後のシリーズ展開も含めて、大きな注目を集めそうだ。

まさに正統派デザインのDAKSウォッチ

DAKS オートマティック パワーリザーブ「WR0021EJ」。ブラック文字盤は精悍でスポーティな印象も

1894年に創業し、王室御用達になるなど、ブリティッシュ・トラディショナルの代表格とも言えるファッションブランド、DAKS(ダックス)。オリエントはDAKSウオッチを展開しているが、今回リリースされた「DAKS オートマティック パワーリザーブ」は機械式の上質な時計だ。

トラディショナルなブランドらしい、オーソドックスでシックなデザインが印象的。文字盤には、DAKSのトレードマークとも言うべきハウスチェックを意識した模様を型打ちしている。

12時位置には、ゼンマイの残量を示すパワーリザーブ表示が配置され、デザイン的なアクセントを与えるとともに、実用に際しても便利な機能となった。文字盤は精悍な印象のブラックと、より上品なイメージを与えるホワイトの2カラーを展開。手持ちのDAKS製品とのコンビネーションでも着用してみたい時計だ。

時計の魅力を多角的に追求したレディスウォッチ

このほかにオリエントで目立ったのは、レディスウォッチである。

オリエントの女性スタッフのパワーを結集して製作している「イオ」の新作「イオ スターリー」は、流れ星をあしらった「シューティングスター」の一作で、文字盤に星を大きくあしらい、カラフルなラメを埋め込んだ。キュートでポップなデザインが女性のハートをつかみそうだ。

イオ スターリー「WI0101SZ」(詳細は本誌既報の通り)。文字盤にあしらわれた星がかわいい

PRIVATE LABEL キャリアアクセサリー「WK0411UB」。フェミニンなイメージの角型ウォッチ

一方、自分のスタイルを持ったナチュラル感のある女性をターゲットにした「PRIVATE LABEL」からは、「PRIVATE LABEL キャリアアクセサリー」の新作が登場。上品なレクタンギュラー(長方形)の時計で、文字盤にはリボンモチーフの模様を2つあしらい、愛らしいイメージに仕上げている。

オリエントの時計は、総じてコストパフォーマンスに優れ、個性が際立っている。この特徴がいささかも損なわれることはなく、むしろ強調された印象を受けた。ここで紹介した以外にも、「レトロフューチャー」をはじめとする定番シリーズでも目を見張る新作が見られたことを付け加えておこう。