全国に広がった"タイガーマスク運動"。「自分にも何かできることはないだろうか」と考えている人は多いはずだ。どんなものをどんな形で寄付するのがよいのだろうか? 会社勤めしながらできるボランティアはないだろうか? 児童養護施設の子どもたちを応援する方法を紹介しよう。

寄付は「何が必要か」を確認してから

「本当にありがたいことです」と話すのは東京都練馬区にある児童養護施設・錦華学院の土田秀行施設長。これまでにランドセル6個のほか、米、図書券、文具などさまざまな寄付が届いた。心温まるメッセージが添えられたものもあったという。ただ、ほかの施設の中には"欲しいもの"と"もらうもの"とのミスマッチが起きているところもあるようだ。「施設によって、またその時期によって欲しいものは違ってきます。事前に電話で何を寄付したらいいかを相談していただけたら」とのことだ。

施設の子どもたちの自立支援などを行っているNPO法人の「ブリッジフォースマイル」の林恵子代表も「児童養護施設の子どもたちに支援をしたいと思う人は、まず相手の事情を知ってほしい」と話す。必要がないものを大量に送ることでかえって迷惑をかけてしまうこともあり得るそうだ。「この春に施設を出て就職、進学する子どもたちは1人暮らしを始めるために、冷蔵庫やアイロンなど生活必需品を揃えなければなりません。施設のなかにはそういったものを必要としているところもあるかもしれないので、聞いてみるとよいかもしれませんね」とアドバイスしてくれた。

ちなみに、全国児童養護施設協議会では施設への直接の寄付のほかに、赤い羽根の「共同募金会」を通じての寄付の方法を紹介している。寄付先やその寄付先で実施される事業を指定する「受配者指定寄付金制度」あるそうだから、近くに施設がない人などは、各都道府県にある窓口に問い合わせてみるといいだろう。

社会人だからこそできるボランティアもある!

ボランティアとして支援する道もある。錦華学院ではずっと同じ大学の同じサークルのメンバーが週に2回施設に通い、子どもたちに勉強を教えているという。施設によってはこうしたボランティアを公募していることもあるようだ。ただ子どもたちと接するためには施設の子どもたちのことについてある程度知っておく必要もある。NPO法人「キッズドア」(渡辺由美子理事長)ではボランティアをしたい学生とボランティアを受け入れたい施設とのマッチングを行い、学習ボランティアの派遣を行う「ガクボラ」というプロジェクトを行っている。関東を中心に300人の学生が登録しているという。こうした団体を利用すれば、こどもとの接し方などで悩んだりしたときもコーディネーターなどに相談できるのでよいかもしれない。

社会人だってボランティアはできる。NPO法人「ブリッジフォースマイル」には、現在20代、30代を中心とした社会人約140人が登録。これから施設を出て自活しなければならない高校3年生に、面接対策や1人暮らしするために必要な準備や手続き、お金の管理などを伝える「巣立ちプロジェクト」や、施設を退所した後の子どもたちに、継続して支援を行う「アトモプロジェクト」などで活躍している。月に1~2回、週末のみの活動なので仕事との両立もしやすいようだ。

古本でできる支援ってどんなもの?

新しいものを寄付できるほどお財布に余裕はないし、ボランティアする時間もない……。そんな人に知ってほしいのが、家にある古本でできる「ブックレイジング」という活動。

家庭や会社などで不要になった本を寄贈すると、古本業者「バリューブックス」が集荷し査定。その買い取り相当額を、参加しているNPO、団体に寄付してくれる。前出の「ブリッジフォースマイル」も寄付先として指定が可能。古本5冊以上から送料無料(着払い)で受け付ける。同法人の林代表は「たくさんの方が古本を送ってくださっているようで、毎月2~3万を活動費として使わせていただいています。本当に感謝ですね」と話している。詳しい申し込み方法はこちら

施設には入っていないが、親からの虐待や貧困などの事情で高校に行けなくなったり、家出をせざるを得なかったりする若者たちの支援を行っている福岡市の一般社団法人「ストリート・プロジェクト」(坪井恵子代表)でも昨年12月から「寄付本プロジェクト」をスタートさせた。同じく5冊以上の古本から着払いで受け付ける。買い取り金は高卒認定試験を目指す若者への学習サポート、自立のスキル提供などに充てられる予定だ。坪井代表は「児童養護施設に入っていなくても、さまざまな事情で家庭が機能せず、帰る家がないという子どもや若者はかなりいます。そうした子どもたちにもぜひ目を向けてほしいですね」と話している。