三洋電機は17日、同社が加湿器や空気清浄器などに採用している電解水技術が、耐性菌の一種である「アシネトバクター菌」に対して効果があるという実証結果を発表した。なお、実験は、同社と、群馬県環境衛生研究所との協同で行われた。

アシネトバクター菌は、院内感染の原因のひとつともなっている多剤耐性菌。電解水技術は、水道水を電気分解することで得られる次亜塩素酸(HClO)とOHラジカルを使用するもの。OHラジカルは強力な酸化力を持つが、不安定な物質で長く存在していることができない。それに対して、次亜塩素酸は、酸化力はOHラジカルに劣るが、OHラジカルよりも安定しており、長い時間効果を発揮することができる。同社の電解水技術は、この2つの物質の組み合わせで、ウィルスやニオイなどを抑制するというもの。

今回同社が発表した実証結果は2つで、1つは、アシネトバクター菌と電解水を混ぜ、10秒間接触させた後、電解水の反応を停止させるための0.2%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、溶液中に生存している細菌数を平板培養法で計測するというもの。この結果、99%以上のアシネトバクター菌を除菌できたという。もう1つは、アシネトバクター菌を付着させた減菌ガーゼを吊るし、そこから30cm離れた場所から電解水ミストを放出するというもの。ガーゼは一定時間ごとに取り出され、付着しているアシネトバクター菌の数を計測。なお、実験は容積200Lのチャンバー内で行われている。この結果、ミスト放出から10分で99%以上の付着菌を除菌することが確認された。

なお、同社によると、これらの実験は、同社の発売している加湿器や空気清浄器などが、これらの実験のような効果を発揮すると証明するものではなく、あくまでも電解水が菌に与える影響を証明するためのものとしている。