スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は29日、信金中央金庫と農林中央金庫の銀行基礎信用力格付けを、それぞれ「C+」から「B」へ1ノッチ(段階)引き上げたと発表した。

上記引き上げは、(1)市場性資産の減損処理や低リスク資産への入れ替えが進捗し、両金庫の追加的な損失負担リスクが低減した、(2)市況の安定化や増資により自己資本基盤が改善した、とのS&Pの見方にもとづく。

両金庫のカウンターパーティ格付けは据え置いた。同格付けの据え置きは、緊急時の政府支援要因を除外した両金庫の単体ベースの信用力評価(スタンドアローン評価)を引き上げた一方で、政府支援要因による格付けの引き上げ幅(ノッチアップ幅)を従来の3ノッチから2ノッチに縮小させたことによる。ノッチアップ幅は、協同組織の中央金融機関としての両金庫の金融システム上の重要性と基礎信用力格付けの水準を勘案したものとなっている。