経済産業省は29日、9月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は前月比1.9%低下の92.5(季節調整済み)だった。4カ月連続の低下(前年同月比は11.1%の上昇)。出荷指数も低下、在庫、在庫率指数は上昇している。同省は基調判断を前月の「生産は横ばい傾向になっており、先行きについては弱含んでいる」から「総じて見れば、生産は弱含み傾向にある」に修正した。2カ月連続の下方修正となる。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。9月の鉱工業生産指数で低下に寄与した業種は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、その他工業等だった。品目別では、普通自動車、モス型半導体集積回路(ロジック)、太陽電池モジュールの順に低下に寄与した。

出荷指数は前月比0.7%低下の95.0(前年同月比は12.3%上昇)で3カ月連続の低下。低下に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、電気機械工業、鉄鋼業等だった。

一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比0.2%上昇の97.7で2カ月連続の上昇(前年同月比は3.5%の上昇)。在庫の上昇に寄与した業種は電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、輸送機械工業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比1.3%上昇の108.8で2カ月ぶりの上昇(前年同月比は10.0%の低下)。

同時に発表した製造工業生産予測調査は、10月は前月比3.6%の低下、11月は1.7%の上昇となっている。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値