ティム・ロス(Tim Roth)
1961年5月14日生まれ、イギリス・ロンドン出身。大学で彫刻を勉強する傍ら演技に目覚め、1982年の英国ドラマ『Made in Britain』で俳優デビュー。1990年にアメリカへ移住。翌年、クエンティン・タランティーノ監督の目に留まり、『レザボア・ドッグス』のMr.オレンジ役で注目を集める。主な出演作に『パルプ・フィクション』(1994年)、『ロブ・ロイ』(1995年)、『インクレディブル・ハルク』(2008年)など。最新作はアレキサンダー・ロックウェル監督の『Pete Smalls is Dead』(2010年)。ちなみに、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』(2009年)では、マイケル・ファスベンダーが演じたアーチー・ヒコックス中尉役をオファーされていたとのこと

『24 -TWENTY FOUR-』のキーファー・サザーランド、『Dr.HOUSE』のヒュー・ローリーなど、近年、映画スターがTV界に進出し、成功する例が急増している。それに続くのが、『レザボア・ドッグス』(1992年)や『海の上のピアニスト』(1999年)の名演で知られる、ハリウッドきっての個性派俳優ティム・ロス。彼のTVシリーズ初主演作『ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間』は、心理学的な観点から"嘘"を鋭く描いた、全く新しい切り口のサスペンス・ドラマだ。’09年1月に全米で放送がスタートして以来、圧倒的なリアリティが好評を博し、今年11月にはシーズン3に突入する人気シリーズとなっている。筆者は、LAの20世紀FOXスタジオで撮影中のティム・ロスを直撃。彼は本作の魅力や自身の"嘘"にまつわるエピソード、盟友タランティーノへの想いなどをたっぷりと語ってくれた。

――映画スターのあなたが、TVドラマの企画に惹かれた理由を教えて下さい。

ティム・ロス(以下、ティム) : 「僕はそもそも映画、TV、舞台の間に境界線など存在しないと思ってキャリアを積んできたからね。こだわりやプライドなんてものもなかったんだ。アメリカのTVドラマに挑戦するのは大変だけど、やり甲斐もあるよ」 ――挑戦しがいのある役柄は、TVに限られていると思いますか?

ティム : 「いや、探せばいくらでもあるんだろうけど、TVの世界ではますます増えてきている、と言えるかな。ロバート・カーライルやスティーヴ・ブシェミもTVで活躍しているし。いい脚本につられて、みんな集まって来ているのさ」

――本作に出演して、女心を読み解くのが上手くなった、といったことは?

ティム : 「僕なんて、誰の心も読めやしないよ。TVに出たくらいでテクニックを極めたなんて自負するのは、危険な思い込みに過ぎない。自分の子供たちの表情を観察することはあっても、女心に関してはよく分からないな(笑)」

――本作を観ていると、ライトマンと『パルプ・フィクション』であなたが演じた役には共通するものがあるように思えるのですが。

ティム : 「なるほど。いっそ、カフェでも襲撃するか」……続きを読む