現役高校生1,000人が審査員を務める漫才コンテスト『第8回MBS新世代漫才アワード』(毎日放送)の決勝大会が26日、大阪市北区のシアタードラマシティで行われ、決勝進出5回目のスマイルが悲願の初優勝を果たし、賞金100万円を手にした。

『第8回MBS新世代漫才アワード』で優勝したスマイル(瀬戸洋祐・ウーイェイよしたか) 拡大画像を見る

今年、初めてゴールデンタイムに生放送された決勝大会には、藤崎マーケット、span!、スマイル、銀シャリ、GAG少年楽団、チャド・マレーン、のろし、スーパーマラドーナ(2次予選通過順)の8組が出場。決勝はトーナメント方式で戦われ、会場を埋め尽くす高校生審査員の熱気溢れる声援の中、熾烈なお笑いバトルが繰り広げられた。

スマイルは、1回戦でチャド・マレーンに602点 対 398点と大差をつけて勝利。2回戦では2連覇を狙う昨年の優勝コンビ・span!を644点 対 356点で下す快進撃を見せ、決勝戦ではスーパーマラドーナと激突。「売れてるピン芸人になってみたい」と自虐的な“シャクレ”ネタを交えながらスター芸人を演じる瀬戸を、マネジャー役のよしたかが天衣無縫なキャラでかき回すアップテンポな漫才で爆笑をさらい、616点 対 384点で初優勝を飾った。

発表の瞬間、思わず瀬戸に抱きついたよしたかは、お得意のギャグ"人間ドリル"でクルクルと回り、喜びを体いっぱいに表現。高校生たちからの祝福の拍手に「ありがとうございます! 漫才最高!」と元気に応えていた。一方の瀬戸は、感極まったのか言葉も出ない状態。「(漫才が)楽しかったのでよかった…」と絞り出すのがやっとだった。

よしたかは現在、1人で東京の芝居公演『スリー・ベルズ~聖夜に起こった3つの不思議な事件~』に出演中。2人でネタを合わせる時間が取れず、漫才をするのは今大会の予選以来。決勝で披露した3本の漫才も、瀬戸が前夜に仕上げたネタをメールで送り、それを東京のよしたかが「必死に覚えた」という。また決勝大会では、東京から駆けつけたよしたかが生放送のオープニングに間に合わないハプニングも。ネタ合わせができたのは「舞台に出る前に、1回か2回だけ」という厳しい状況の中での快挙だった。

大会後、優勝の感想を語った瀬戸は「ネタ合わせもできず、ずっと不安で……。でも、1本目の漫才をやったときにめちゃめちゃ楽しかったので、やっぱり漫才っていいなって……」と感無量の様子。よしたかも「久しぶりに漫才をやって、めちゃくちゃテンション上がりました」と笑顔を見せた。次なる目標は「M-1です」と言い切り、漫才日本一への意欲をのぞかせた2人。賞金の使い途について聞かれると、瀬戸が「相方が芝居に出ていて、僕は仕事がヒマやったんです。給料が不安だったのでちょうどいい臨時収入」と。よしたかは「僕はレーザー脱毛。キレイになりたいので(笑)」と意外な野望を明かして笑わせていた。