フランス・ブルゴーニュのメーカーによるタジン鍋

とんがり帽子のような円錐形のユニークな形で、蒸し調理器として優れた調理性を持つタジン鍋。ヘルシーさや手軽さから蒸し料理が注目される中、モロッコ発という話題性やデザインの楽しさ、演出効果の高さもあって飲食店でさかんに利用されていき、現在は家庭用としてもかなり浸透している。2007年10月よりこのタジン鍋の全国販売を始め、ブームの立役者となったのがエミール・アンリ ジャパン。同社が展開する「FLAME」(フラム)シリーズの「タジン」である。2009年は前年の3倍以上の数量を販売し、今年も大変好調。店頭では品薄状態が続いているほどの人気ぶりだ。

エミール・アンリの「タジン」

エミール・アンリは、フランス・ブルゴーニュ地方で1850年に誕生。耐熱陶器のメーカーである。エミール・アンリ ジャパンは、2006年11月に「タジン」を試験的に販売。この時にかなり好評だったということに加え、蒸し料理という調理法が注目され始めていたという背景もあって、「タジンという新しい鍋を日本に紹介するのには絶好のタイミング」と判断。翌年の全国発売に至った。

食材の旨味を逃さない構造に

お洒落なデザインで、鍋のまま食卓にサーブできるのも魅力。保温性が高いので、温かいまま食事ができる

そもそもタジンというのは、モロッコを含む北アフリカ伝統の煮込み料理で、料理名も、調理に使う鍋のことも「タジン」と呼ばれている。この鍋は、水が貴重な土地において、必要最低限の水で調理できるようにと開発された。加熱して素材から出た水分は、蒸気となって上にいき、尖ったフタ部分で冷やされる。その水分が蓋を伝って再び鍋の中に戻るという仕組みで、ほぼ素材の持つ水分のみで調理でき、食材の旨味を逃さないという利点もある。

それに加え、エミール・アンリの「タジン」は、ブルゴーニュ産の良質な天然陶土を使い、熟練した陶工家によって丁寧に仕上げられている。そのため、保温性や保冷性、耐久性に優れているという特性がある。直火だけではなく、オーブンや電子レンジなどでの調理にも対応。熱をゆっくりとまんべんなく伝えるため、「白菜と薄切り肉の重ね蒸しや魚と野菜の蒸し煮などの蒸し料理、プリンや茶碗蒸しにも活用できます」(同社)。

価格は、「タジンS」(直径21cm・容量0.8L)が8,925円。「タジンM」(直径25cm・容量1.1L)が10,500円。「タジンL」(直径32cm・容量2.5Lm)が15,750円となっている。カラーはフラムレッド、フラムイエロー、パープルと鮮やかな色合いの3色が揃う。