昨年11月に公開された、神山健治監督作品『東のエデン 劇場版I The King of Eden』の続編であり、シリーズ完結作となる『東のエデン 劇場版II The Paradise Lost』の完成披露試写会が、3月4日行われた。テレビシリーズの放送開始からほぼ1年を経て、ついに完結を迎えた物語。舞台挨拶に立った神山監督は、長い仕事を終えた安堵感と共に、1年間を共に過ごしたキャラクターたちへの思いを語った。

■『東のエデン 劇場版II The Paradise Lost』ストーリー概要
"飯沼朗"を前総理の息子に仕立て上げるという企みに乗って日本へ帰国した滝沢と咲。しかし出迎えた飯沼後援会の元を抜け出し、滝沢は自分の"ジュイス"を確保に。一方で咲は大杉と共に滝沢の母親を探しに行く。公安の手が迫る中、「東のエデン」メンバー達は滝沢に協力するが……。再び、滝沢と直接対峙するNo.1 物部が思い描くこの国の在り方とは? そして、ついにMr.OUTSIDEとセレソンたちの秘密が明らかになる。

完結編では、今まで描かれなかった滝沢の過去をはじめ、Mr.OUTSIDEの正体やジュイスたちの秘密など、バラバラだったピースが次々に繋がっていく。「この国の"空気"と戦う」など現実の我々にとってほとんどファンタジーに思えるが、神山監督はリアルな描写を緻密に繋ぎ合わせることで、そのファンタジーを描き出した。個々のキャラクターたちの活躍、そして成長していく姿にも注目だ。

日本に帰国した滝沢。どうやら母親のことを思い出したらしい?

滝沢の母親を探す咲。出会ったその女性は果たして……

おネエ、春日、そして平澤など、エデンメンバーの活躍も見どころ

上映後の舞台挨拶には、司会の声優・江口拓也(大杉智役)と神山健治監督が登場。興奮冷めやらぬ会場から大きな拍手で迎えられた。

司会役に緊張ぎみの江口(左)と、今は「少し平和ボケ」という神山監督(右)

作品の完成を向かえ、ようやく緊張から解放されたという神山監督は「2009年の記憶がほとんどないにも関わらず、体感としては2年間くらいあったという感じ」と率直な感想を述べた。

江口拓也「今回は大杉君を含め、エデンのメンバーそれぞれが活躍する場面が多かったですね」

神山監督「できれば最後に一人ひとり見せ場を用意してあげたいという思いがあり、ああいったシーンを用意させていただきました」

江口「セレソンサイドでは、物部と滝沢君の緊張感ある会話にハラハラしました」

神山監督「物部は会話とネゴシエーションで全て解決してきたという自負がある男なので、最後は滝沢の前にもう一度現れて説得しようということだったと思います」

江口「アフレコ現場では、エデンもセレソンも関係なく和気あいあいとしていて、特に滝沢役の木村さんは、誰にでも気さくに話しかけていました」

神山監督「木村君は滝沢にキャラクターが似ているというか、年の割にはそういうところがすごく上手。彼は"滝沢朗"ですね」

江口「最後にエデンのメンバーみんなの幸せそうな顔が見られて、僕は幸せでした」

神山監督「作っている僕らも、キャラクターや世界観と別れがたい気持ちになる作品でした。1で大きな反響を頂き、ようやく見ていただけるところまで来て、スタッフも感激しています。ありがとうございました」

『東のエデン 劇場版II The Paradise Lost』は、3月13日(土)よりテアトル新宿、テアトルダイヤ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国順次ロードショー。

原作・脚本・監督 / 神山健治◆キャラクター原案 / 羽海野チカ
配給 / アスミック・エース
(C)東のエデン製作委員会