2009年にデビュー40周年を迎え、シングルのリリースや、特別番組の4夜連続放送、1年近くにおよぶ大型全国ツアーなど、精力的な活動を展開してきた井上陽水。その集大成ともいえる「井上陽水 40th Special Thanks Live in 武道館」をWOWOWが独占放送。熱狂と感動に包まれたライブの模様をレポートする。

12月4日に日本武道館でコンサートを行った井上陽水

12月4日。日本武道館は1万人を超える観客で埋め尽くされた。会場全体に期待感が充満する中、まずスクリーンに幼少期から現在に至るまでの陽水自身の写真が映し出され、続いてバンドメンバーとともに本人が登場。年齢を感じさせない甘い歌声で「新しいラプソディー」「嘘つきダイヤモンド」の2曲を披露し、早くも観客を"陽水ワールド"へと誘う。 「私事になりますが、皆様のご支援のもと、時間が経過し、40年を迎えました」と挨拶すると、会場が大きな拍手が。続けて「長きにわたる皆様のご声援に支えられ、多少高い所からではございますが、皆様にお礼を申し上げなければいけないと思い立ち、今日の運びとなりました」と結婚式の祝辞のようなトークを繰り広げ、ファンも大爆笑。

その後も「Make-up Shadow」「心もよう」「飾りじゃないのよ 涙は」「リバーサイド ホテル」など、誰もが一度は耳にしたヒット曲を続々と披露していく。「帰れない二人」を紹介する際「30年以上前に知り合った忌野清志郎という者が、5月に亡くなりました。彼と一緒に作った曲があるので演奏したい」と語った。

MCでは、「すごく適当で1番しかないけど」と苦笑いしつつ、高校時代に初めて作詞・作曲した曲も披露。「正規の授業が終わった後で補習のようなものを受けていた頃、好きな同級生の女性が帰る姿を窓から見て。そんな素晴らしい情景を切り取った歌です」と紹介し、多少恥ずかしそうな様子も見せつつその曲を歌うと、ファンから割れんばかりの拍手が。「この曲を武道館で歌って、拍手までいただくとは夢にも思いませんでした……」と本人も照れっぱなしだった。

それでは皆さんお元気で。お幸せに(笑)

中盤では「自然に飾られて」「招待状のないショー」などの壮大なバラードを歌い、「氷の世界」では一転して、観客も立ち上がるほどの盛り上がり。曲の後半でブルースハープをかき鳴らし、それをアリーナの観客へ投げ入れるというファンサービスもあった。興奮冷めやらぬ中、世相を切り取った歌詞が印象的な「最後のニュース」、代表曲のひとつ「少年時代」を切々と歌い上げた。

アンコール1曲目の「Happy Birthday」では、デビュー40周年にちなみ、スクリーンに過去の作品のジャケットで構成された「40」の文字が映し出されるという演出も。メンバー紹介に続いて「夢の中へ」が始まると、観客も総立ちとなり、熱気も最高潮に。最後は「傘がない」「いっそ セレナーデ」を歌い、「長きにわたってご声援いただき、ありがとうございました。それでは皆さんお元気で。お幸せに(笑)」と彼らしい言葉で締めくくった。

このライブの模様を収録した「井上陽水 40th Special Thanks Live in 武道館」は、1月31日(日)16:00よりWOWOWで放送される。