個性的なキャラクター設定と、奇想天外なストーリー展開で、ライトノベル界に衝撃を与えた話題作『デュラララ!!』が、待望のTVアニメとなって、MBS・TBSほかにて、2010年1月より放送開始となる。そこで今回は、キャスト陣が語った本作の魅力などを紹介しよう。

TVアニメ『デュラララ!!』は2010年1月放送開始

メインキャスト陣が語るTVアニメ『デュラララ!!』の魅力

今回の取材はTVアニメ『デュラララ!!』のアフレコ収録終了後に行われたもので、竜ヶ峰帝人役の豊永利行をはじめ、紀田正臣役の宮野真守、園原杏里役の花澤香菜、折原臨也役の神谷浩史、平和島静雄役の小野大輔、門田京平役の中村悠一、狩沢絵里華役の高垣彩陽、岸谷新羅役の福山潤、遊馬崎ウォーカー役の梶裕貴といったメインキャスト陣が、自らが演じる役どころや作品の魅力などを、じっくりと語ってくれている。


――まずはご自身が演じる役どころを教えてください

豊永利行「竜ヶ峰帝人(りゅうがみね・みかど)をやらせていただいております。竜ヶ峰帝人君は、非常に大人しい高校生で、池袋という都会に上京してきたばかりの高校生です。宮野さんが演じる紀田正臣君と仲が良くて、紀田正臣君の前だけでは割と心を開いている感じですね。実はけっこう腹黒かったりする、不思議な性格の男の子です」

宮野真守「紀田正臣(きだ・まさおみ)役の宮野真守です。正臣は飛びっきり明るくて元気な男の子ですが、ギャグが寒いです。今のところ本当に普通の高校生です」

花澤香菜「園原杏里(そのはら・あんり)役の花澤香菜です。杏里ちゃんは、帝人君の同級生で、大人しい女の子です。男の子からちょっと注目を集めるような、モテる感じもあるのですが、いろいろとありそうな感じでもあります」

神谷浩史「折原臨也(おりはら・いざや)という役をやらせていただいております神谷浩史です。『デュラララ!!』は池袋が舞台の物語なのですが、臨也は池袋にはいなくて、なぜか新宿にいるんだけど物語にからんでくるという、すごく謎の多い人物です。情報屋をやっておりまして、裏でいろいろと暗躍しているのではないかというのが垣間見える、そんな役でございます。小野君の役とは仲が悪いです」

小野大輔「平和島静雄(へいわじま・しずお)役の小野大輔です。静雄は一言で言うと、池袋最強の男という風に呼ばれているようです。"最強"の"強"は"強い"という字でありながら、禍々しいほうの"凶"でもある、とてもキレやすい性格の危険な男です。いつもバーテンの格好をしていて、サングラスをかけているのがトレードマークになっています。見た目や名前とはまったく真逆の性格をしているのですが、そのあたりがギャップ萌えなのではないでしょうか(笑)。神谷さんの役とは犬猿の仲です」

中村悠一「門田京平(かどた・きょうへい)役をやらせてもらっています中村悠一です。門田さんはですね、学生たちよりは少し年上なのかなっていう年齢です。仕事をしていて、何のかはわからないのですが、”職人”とだけ僕は言われましたので、"職人"なんだなって思っています(笑)。梶君が演じる"遊馬崎ウォーカー"と高垣さん演じる”狩沢絵里華”と3人でつるんでいるというような説明を受けたのですが、どうももう一人、"渡草"というキャラクターもいるようです。でも、なぜか渡草はスルーになっていて、そこに僕は引っかかっています(笑)。みんなよりは少し大人の目線で話している感じで演じさせていただいております」

高垣彩陽「狩沢絵里華(かりさわ・えりか)役をやらせていただいております高垣彩陽です。狩沢さんはオタクで、腐女子です。原作の先生に、”何でもオタク”なのでアドリブなどで何を言っても大丈夫ですよって言っていただきました(笑)。遊馬崎ウォーカーさんとのオタクコンビでいろいろとやりつつ、門田さんのお世話になっていて、渡草さんの車に乗っています。"ワゴン組"とでもいいましょうか……、私が勝手に名付けたんですけど(笑)。4人組でかなり楽しく、ワイワイとやっております」

福山潤「岸谷新羅(きしたに・しんら)役をやらせてもらっています福山潤です。新羅は、闇医者を池袋でやっておりまして、大っぴらに医者にいけない人たちを治しております。静雄と臨也と同級生で、大変飄々としていていろいろな方と仲良くなれるキャラクターです。世間一般からみればアブノーマルな性癖を持っているのですが、それも彼にとっては普通であるように思える人物でございます」

梶裕貴「遊馬崎ウォーカー(ゆまさき・ウォーカー)は筋金入りの二次元オタク。聞いたところによると、ファッションには気を付かっているそうです(笑)。門田と狩沢の3人組で行動することが多いです。イラストを見てもわかるように……目元はニコニコ、いつも飄々としている人物なのですが、かなり恐ろしい一面も持ち合わせているキャラクターです」

――アフレコの感想や現場の雰囲気などを教えてください

豊永「アフレコは、先輩方に囲まれ、毎週いろいろなことを勉強させていただきながら、やらせていただいております。現場の雰囲気はとても明るく、皆さんが盛り上げてくださるので、僕はなんていい現場に恵まれたんだろうと、心から思っております。ただ、ちょっと油断すると男子校っぽい、悪ノリな感じもあり……」
中村「そんな瞬間ありましたか?」
花澤「ありますよ!」
豊永「良かった、味方してくれた」
宮野「実感こもっているね(笑)」
豊永「すごく楽しい現場で、僕は常に笑顔でいさせてもらっています(笑)」

宮野「豊永君の帝人と一緒にいることが多い役なのですが、二人の本当に何気ない会話をそのままお芝居に載せているという感じでやらせていただいております。まるで普段の二人みたいな雰囲気でやらせていただける環境や、役の立ち位置というのがすごく面白いと思っておりまして、言い方は悪いかもしれませんが、自由にふざけられる感じですね。やり過ぎのところはちゃんと監督さんからの指示もありますので、本当に迷いなく演じさせていただいておりまして、二人が楽しく学校生活を送っている姿を見せられるようにと思って演じております。実際、現場自体も学校のような雰囲気がありまして、ちょっとオフな時間はみんなでワイワイと騒いだりしております」

花澤「『デュラララ!!』は一話一話が完結している感じで、どこからでもスッと入っていけるような作品です。杏里は、帝人との付くとも付かないともといかないようなドギマギした感じをとても楽しんでやっています。アフレコ現場の雰囲気は、下ネタです。最初のころは何だこの現場は! って思いました(笑)」

神谷「非常に皆さん達者な方ばかりで、キャラにピッタリな人たちが集まっております。毎回アフレコのたびに、この人はこんな一面を持っているんだ、こんなお芝居をするんだと思うところが随所にあって、本当に刺激なる現場です。なので、その中に埋もれてしまわないように個性を発揮できればと、一所懸命に切磋琢磨しているところです」

小野「本当に皆さん個性的なのですが、これまでに見たことがないような顔を見せていらっしゃいますね。とにかく賑やかにやっております。皆さんの芝居を見ていると、何か新しいものを産もうとしているような、そんな意気込みを感じまして、自分も負けないように、その場に人ひとりが生きているような役作り、環境作りをしていきたいなと、気を引き締めつつ演じております。とてもいい現場です」

中村「一話一話が完結していたり、繋がったりしているので、登場するキャラクターの数がすごく多いんですよ。一話ごとに新キャラクターが増えていき、最終的には何人出るんだろうと思うぐらいです。それだけたくさんの役者さんとお芝居ができるというのはすごく面白く、本当に楽しい現場だと思いますし、一週出られないだけで、どれだけ遅れをとっていくんだろうという不安にもさせられるような現場だと思いながら演じさせていただいております」

高垣「監督さんをはじめ、作り手の方々がものすごくこだわりを持って作っていらっしゃるということが、台本や映像から感じることができるとてもすばらしい作品に、とてもすばらし先輩方とご一緒させていただきまして、本当に私は『デュラララ!!』の現場ですごく幸せを感じています。現場の雰囲気もものすごくとってもとっても楽しいです。ムードーメーカーの方がたくさんいらっしゃるので、ひとつの会話からもどんどんと話が広がっていって、笑いをこらえるのが大変です。本当に『デュラララ!!』の現場にしかない、すばらしい現場の空気感を感じながら、楽しんで向かわせていただいています」

福山「僕が出ている回では下ネタなど飛び交ったことは一度もなく、とても上品な雰囲気の中でやらせていただていおりますよ。僕も下ネタは大嫌いなので、いつも芝居のことを熱く語らせていただいております(笑)」

「遊馬崎の登場シーンのほとんどが、狩沢とのオタ話です……! 毎回、収録日までに元ネタを調査することが宿題のようになっています(笑)。なので、たま~にシリアスなカットがくると妙に緊張します。収録中は、高垣彩陽ちゃんと『オタクらしいアドリブ』についての熱い議論……違うな……熱いネタ合わせをしています!(笑)」

――最後に、『デュラララ!!』の魅力とファンの方へのメッセージをお願いします

「数多くの登場人物が、現代らしい会話・テンポで繰り広げるストーリー。予想を裏切る展開に、きっとドキドキするはずです。どのキャラクターも声のイメージがピッタリだと思うので、楽しみにしていてください! ヤスダスズヒト先生のイラストにも注目です!」

福山「本当にたくさんの魅力がある作品です。群像劇のなかで繰り広げられる多角的な視野からみた物語の紐解き方、どんなストーリーの仕掛けや謎がひとつの話数に入っているのか、そういった先々が楽しみになるような情報がたくさん入っております。なので、それらをひとつひとつ読み取りながら、キャラクターたちのストーリーを楽しんでいいただければ、『デュラララ!!』にハマっていくこと間違いなしだと思います。僕も自分が出ているシーンを一所懸命、皆さんにいい形で伝えられるように鋭意収録中ですので、皆さんも放送を楽しみにしていてください」

高垣「最高のエンタテイナーさんたちが、最高の作品を作ろうという気持ちで集まった作品で、本当におもしろいんです! 私自身も、『デュラララ!!』の世界観に、どっぷりと浸からせていただいているのですが、幅広い年代の方に、男女問わず楽しんでいただける作品であると思いますので、ぜひぜひぜひぜひ! 放送を楽しみにしていてください。私は狩沢として、ほかのキャラクターたちとの関係性の中で、アドリブだったり、オタクならではのネタが仕込まれていたりしますので、そちらのほうもクスっと楽しんでいただけましたら嬉しいです。とにかく、隅々までご覧になっていただきたいです!」

中村「原作ファンの方も、アニメ用に組み直してお届けすることになりますので、やはり楽しみ方が変わってくると思います。小説がビジュアルに変わるということで、自分が読んでいたものと同じか、それともそれを超えたものになるかというところを観ていただけたら面白いのではないでしょうか。ぜひぜひよろしくお願いいたします」

小野「先日、仕事で池袋に行き、劇中に出てくる場所をいくつか通りがかりました。ここが臨也に自動販売機を投げたところだなとか、本当にリアルと『デュラララ!!』の世界が入り混じるような感覚になったんですよ。それはやはり、すごく濃いキャラクターがいて、すごく突拍子もない設定があってというファンタジーの部分がありつつも、それぞれのキャラクターがとてもリアルに描かれているからだと思うんですよね。なので、自分もそれぞれのキャラクターが生きているという感覚を大事に演じていきたいと思っておりますし、実際、みんながリアルと濃いキャラクターを両立させて演じておりますので、観てくださった人が池袋に行きたくなる、そして池袋で一緒に生きているような感覚になれる作品だと思います。ぜひ皆さんも僕と同じような感覚になって、どっぷりとはまり込んでいただきたいなと思っております」

神谷「非常に謎多き作品であり、魅力的なキャラクターがたくさん出てくる作品です。そして、謎が謎のまま終わっていくと、いったい何だったんだろうというモヤモヤ感が残ると思うのですが、そのモヤモヤがなぜか魅力的に感じられる不思議な作品になっております、第一話を観ると、その謎に面食らうのではないかと思うのですが、一話、二話と続けて観ていただくことで、この作品がいったい何をやりたいのかという仕掛けがわかるようになっております。なので、できれば一話を観た方は二話も観ていただけると、よりこの作品にはまれるのではないかと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします」

花澤「一見シリアスに進んでいきそうな作品なのですが、ちょくちょくギャグが挟まっていて、そこがすごく面白いなと思っています。特に正臣が変なんですよ(笑)。普通の台詞でも正臣が言うとなぜか面白く聞こえるので、いつも笑わせてもらっています。セルティがはたしてどうやって登場するのか、しゃべるのかしゃべらないのか、それからチャットがどのようになるのか、原作を読んでいる方には気になるところがたくさんあると思いますので、ぜひそのあたりを期待して観ていただきたいと思います。あと、私的にはサイモンがグッときますので、皆さんもサイモンに注目してください(笑)」

宮野「いろいろな新しい試みがたくさん入ったアニメになっておりまして、演出方法などにも、僕自身が驚かされたところがいっぱいあります。一話一話、本当に驚かされているので、その驚きを皆さんにも味わって欲しいなと思いますし、それが最終的には何かの謎を残して次につながっていってという、本当に皆さんの興味を引くものがいっぱい散りばめられている作品になっています。さらに、池袋という街の表現がものすごくリアルで、その中にファンタジーも含まれているのですが、その絶妙なバランスも面白いところだと思っています。なので、新年早々、どっぷりはまっていただきたいですね」

豊永「僕からのお年玉です(笑)。絶対絶対、観てください!!」

――ありがとうございました



舞台は東京・池袋。そこはさまざまな思惑を腹に抱えた若者たちが集う街。非日常に憧れる高校生、池袋一強い男、情報屋、闇医者、ストーカー、"首なしライダー"、etcが、事件をおこしたり、巻き込まれたり……。アクの強すぎる登場人物が織り成す、予測不可能なハイテンション・サスペンスアクション『デュラララ!!』は、2010年1月よりMBS・TBSほかにて放送開始予定。

■TVアニメ『デュラララ!!』おもなスタッフ
原作 / 成田良悟「デュラララ!!」(電撃文庫/アスキー・メディアワークス刊)◆原作イラスト / ヤスダスズヒト◆監督 / 大森貴弘◆シリーズ構成 / 高木登◆キャラクターデザイン / 岸田隆宏◆メカデザイン・アクション作監 / 山田起生◆総作画監督 / 髙田晃◆美術 / 伊藤聖◆色彩設計 / 宮脇裕美◆監督補 / 川面真也◆撮影 / 田村仁◆CGプロデューサー / 神林憲和◆編集 / 関一彦◆音楽 / 吉森信◆アニメーション制作 / ブレインズ・ベース◆製作 / 池袋ダラーズ

■TVアニメ『デュラララ!!』おもなキャスト
竜ヶ峰帝人 / 豊永利行◆紀田正臣 / 宮野真守◆園原杏里 / 花澤香菜◆折原臨也 / 神谷浩史◆平和島静雄 / 小野大輔◆岸谷新羅 / 福山潤◆門田京平 / 中村悠一◆遊馬崎ウォーカー / 梶裕貴◆狩沢絵理華 / 高垣彩陽◆矢霧誠二 / 堀江一眞◆矢霧波江 / 小林沙苗◆サイモン / 黒田崇矢
(C)成田良悟/アスキー・メディアワークス/池袋ダラーズ・MBS