ワコムは、東京恵比寿のクラブUNITにて、プロフェッショナルDJツール「nextbeat」の製品発表会を開催した。3月のデザイン公開当初から話題を呼んでいた同製品は、ペンタブレットなどの開発で培ったタッチセンサー技術などを投入した同社の第1弾となるDJ機器製品。9月18日より日本国内で発売開始する予定となっており、価格は16万9,800円。

1台にDJプレイに必須の各種機能を集約した「nextbeat」。定評のある同社タッチセンサー技術が採用された中央部のコントロールパッド部分は、取り外しも可能となっている

青木氏のプレゼンテーションは、同社として初参入となるDJプロダクトへの意気込み非常に感じられる、熱気溢れるものとなった

発表会は、ワコムのプロダクト統括担当執行役員・下田耕嗣氏による挨拶からはじまり、同社のnextbeat事業推進部GM青木隆氏による、音楽ツールならではの製品のサウンド体験を中心としたプレゼンテーションを展開。アーティストのTraks Boys&イルリメは、製品の主な機能紹介をラップに乗せて行なうという、ユニークなパフォーマンスを披露した。

30cmx30cm(2.6kg)というレコードバックサイズの同製品には、DJプレイに欠かすことのできないふたつの音源(A/Bチャンネル)や、サンプラー、エフェクターなど、様々な機能を統合。それらの機能を、よりアクティブかつダイレクトに操作できるタッチセンサー対応のコントロールバッドや、3.5インチの大型LCDディスプレイ、ノブ/ボタンを装備し、ハイクオリティーなDJプレイを1台で実現した。またコンパクトフラッシュカードスロット(最大64GB対応)を備え、最大で9999曲の楽曲(WAV/AIFF/AAC/MP3)を管理し、演奏も可能だ。USBによるコンピュータへのマスストレージ接続にも対応するとのこと。

ラップに乗せて、製品の機能を紹介したTraks Boys&イルリメ。紹介する機能に合わせて、実際にその機能を使ったサウンドを紹介し、その機能を実感することができた

さらに、同製品の本体は、ワイヤレス通信(2.4GHz/独自通信プロトコル採用)対応の取り外し可能なポータブルユニットとベースユニットで構成され、DJブースを離れてのパフォーマンスを行うことも可能となっている。ポータブルユニットは、アルカリ単3乾電池4本で約5時間駆動できるため、コントロールバッドや各種ノブを活用した、ステージフロントでのライブパフォーマンスが長時間行えることも大きな特長のひとつだ。

同製品を用いたDJパフォーマンスセクションでは、多彩なサウンドプロセッシング機能とポータブルユニットの特性を生かした女性DJ3人組のアーティスト・Nubian Ladyの華やかなDJプレイや、新進気鋭のサウンドプロデューサー・Teddy Loidによる白熱したステージが注目を集めていた。

Nubian Lady(左)やTeddy Loid(右)によるDJパフォーマンス。ステージ終盤では、ポータブルユニットをつかったステージ中央での自由奔放なDJプレイは、これまでのDJ機器ではないし得ない新鮮な光景だ

まさに新世代のデジタルDJツールの名に相応しい多彩かつ斬新な機能を満載した同製品。同社最新のテクノロジーにより、DJプレイの命である手や指の微妙な動きをトレース可能なタッチセンサー対応のコントローラーや、DJプレイに禁物の「遅れ・途切れ」のない極小レイテンシーなどを実現している。それにより、これまでにないパーフェクトなDJ環境を最小限のスペースでコンパクトに提供してくれる。スタンドアローンでの動作が基本となっているが、今後はぜひコンピューターとの連携、MIDIコントローラーへの対応などにも期待したいところだ。

会場では、実際にnextbeatを自分自身で体験可能なタッチ&トライコーナーも設けられており、マスコミ関係者のみならずDJ/ミュージシャン/プロデューサーなどの来場者からも人気を集めていた