「婚活」とは一見関係がないような「農業」。ところが最近、農業という共同体験を通して相手の人となりを見極める"農婚"が注目を集めている。

田植え体験に汗を流す参加者※婚活ツアーズ提供

農婚といっても、あくまでも参加者同士が出会う婚活の場を提供するものであって、農村地への結婚促進ではない。農婚を企画している会社の一つ、イードゥービーの「婚活ツアーズ」は、「婚活」+「共有体験」+「地域交流」をコンセプトとした場を提供。農婚としては、「田植え」から「陶芸教室」、「稲刈り」、「料理教室」という流れでイベント・ツアーを開催している。田を耕して苗を植え、収穫したお米を使った料理教室では、陶芸教室で作陶した作品を使うという、一つのストーリーが描かれている。一連のイベント全てに参加しても良いし、興味のあるイベントだけに参加する方式でも良いという。

具体的に、5月に開催された1泊2日の田植え体験では、1日目は新潟県にある善光寺で"婚活達成祈願"をした後、地元食材での夕食で会話を弾ませ、翌日は朝からプロの指導による田植え体験を行った。水田に入りながら均等に苗を植えていく作業をしていく中、神経質そうに見えた女性が実は大雑把だったり、参加者の本質を見極められる場面も-。作業後には一足早く薪釜ストーブで炊いたお米を味わい、温泉でも疲れを癒したという。

これまで5月の田植え体験ではカップルが1組、8月の陶芸教室では3組が成立。田植え体験でカップルとなった参加者によると、「童心に返り、助け合いながら田植えという共同作業をする中で、お見合いパーティーなどでは見抜けない、その人の人となりを見られた。優しさの観点や生活観を共有できた」とのこと。作陶教室の参加者の声を聞いても、婚活を意識する前に体験自体が楽しく、堅苦しくない雰囲気の中で自然と異性と会話ができるなどのメリットが農婚にはあるようだ。そして、田を耕し、苗を植え、手入れをしながら育み、収穫をするという農業の行為は、恋愛関係にも共通していると実感するという。

農作業以外の夕食の場面でも会話が弾む※婚活ツアーズ提供

農婚の一環、陶芸教室で作品づくり。作業の仕方にも人となりが見える!?※婚活ツアーズ提供

婚活ツアーズ担当者によると、参加者の傾向として「結婚情報サービスに興味があっても実際入会していない方々など、婚活イベントの参加が初めてという方の応募が多いです」とのことだ。次回9月26日~27日には、1泊2日で新潟県十日町市において開催される「稲刈り体験ツアー!」がある(気候の状況により、開催日がずれる可能性があるので、要問い合わせ)。参加費は1万9,800円(24日までの申込みによる早割もしくは、2名以上の申し込みによる友割で1万8,850円)。イベント情報は、婚活ツアーズのサイトを見ると良い。